この記事の位置づけ
アクィロ(Aquilo)は極寒の氷の惑星です。建物は加熱しないと凍結して停止します。この記事では、凍結メカニクスの仕組み・エンティティごとの熱消費量・ヒートパイプの効率的なルーティングパターンを詳しく解説します。
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凍結メカニクスの基本
アクィロでは、ほぼすべての建物が「凍結」という状態になり得ます。凍結した建物は完全に動作を停止します。ベルトは止まり、組立機は生産を止め、インサーターは動かなくなります。
凍結のルール
- 建物の温度が30°C以下になると凍結する
- 凍結を防ぐには、隣接する1タイル以内(斜めを含む)に熱源が必要
- 熱源とは、給熱塔(Heating tower)またはヒートパイプのこと
- 建物ごとに「凍結を防ぐために必要な熱量(kW)」が決まっている
- 熱が足りなくても即座に凍結するわけではなく、温度が徐々に下がっていく
凍結しないもの
以下のエンティティは凍結の影響を受けません。配置場所を気にしなくてOKです。
- オフショアポンプ(海水汲み上げ)
- チェスト(木箱、鉄箱、鋼鉄箱、ロジスティクスチェストすべて)
- 電柱(全種類)
- 壁・ゲート
- ヒートパイプ(熱を運ぶ側なので凍結しない)
- 給熱塔(熱源そのもの)
- 列車・レール
- ロボット(建設・物流ボットともに)
つまり、物流の「保管」と「輸送インフラ」は凍結しませんが、「加工」と「移動」に関わるものはほぼすべて加熱が必要です。

エンティティ別の熱消費量一覧
凍結を防ぐために各エンティティが消費する熱量(kW)の一覧です。消費量が多い順に並べています。設計時の熱予算計算に使ってください。
| エンティティ | 熱消費量 | 備考 |
|---|---|---|
| 遠心分離機(Centrifuge) | 400 kW | 最も高コスト。ウラン処理は熱的に重い |
| ポンプジャック(Pumpjack) | 300 kW | 原油採掘は熱源の近くで |
| 組立機(Assembling machine) | 200 kW | 工場の主力。数が多いので合計に注意 |
| インサーター(Inserter) | 150 kW | 組立機1台に2〜4本使うと合計300〜600 kW |
| 化学プラント(Chemical plant) | 150 kW | 石油化学ラインの主力 |
| スチームタービン | 100 kW | 発電設備の加熱も忘れずに |
| スプリッター(Splitter) | 100 kW | ベルトの10倍!使いすぎ注意 |
| 電動マイニングドリル | 100 kW | 鉱脈は広いので熱の配分が課題 |
| ビーコン(Beacon) | 100 kW | モジュール込みの大型設備 |
| 地下ベルト(Underground belt) | 50 kW | 入口・出口それぞれ50 kW! |
| ロボポート | 50 kW | 物流ネットワークの要 |
| ソーラーパネル | 50 kW | 大量設置には大量の熱が必要 |
| 蓄電池(Accumulator) | 50 kW | ソーラーとセットで熱コスト増 |
| 熱交換器(Heat exchanger) | 50 kW | 原子力発電ラインの一部 |
| パイプ(Pipe) | 40 kW | 長い配管は熱コストが膨らむ |
| ラボ(Lab) | 30 kW | 研究施設は比較的軽い |
| レーダー | 30 kW | 探索用。少数なら問題なし |
| ポンプ(Pump) | 20 kW | 流体制御 |
| 搬送ベルト(Transport belt) | 10 kW | 最も安い。メインの輸送手段に |
なぜ地下ベルトを避けるべきか
アクィロでの設計で最も見落としがちなのが、地下ベルトの熱コストです。
通常の搬送ベルトは1タイルあたり10 kWです。一方、地下ベルトは入口・出口がそれぞれ50 kW、つまりペアで100 kWかかります。
具体例:10タイルの距離を渡す場合
- 通常ベルト10タイル:10 kW × 10 = 100 kW
- 地下ベルト1ペア:50 kW × 2 = 100 kW
10タイルなら同じコストですが、それより短い距離では地下ベルトのほうが割高になります。たとえば4タイルの距離では:
- 通常ベルト4タイル:10 kW × 4 = 40 kW
- 地下ベルト1ペア:50 kW × 2 = 100 kW
2.5倍のコスト差です。Nauvis(初期惑星)のクセで地下ベルトを多用しがちですが、アクィロでは「本当に必要な場所だけ」に限定しましょう。
要注意:スプリッターも100 kWと高コストです。バスの分岐は最小限にし、できるだけベルトで引き回すほうが熱効率は良くなります。
給熱塔の仕様と配置
給熱塔(Heating tower)はアクィロの生命線です。まずはスペックを正確に把握しましょう。
基本スペック
- サイズ:3×3タイル
- 燃料タイプ:バーナー(ロケット燃料推奨)
- 燃焼効率:250%(燃料の2.5倍の熱を生成)
- 最大温度:1000°C
- 熱容量:5 MJ/°C
ウォームアップコスト
給熱塔を設置してから稼働温度まで上げるには、かなりの燃料が必要です。
計算例:環境温度15°Cから運用温度500°Cまで加熱する場合
- 温度差:500 – 15 = 485°C
- 必要エネルギー:485°C × 5 MJ/°C ÷ 2.5(効率250%)= 約0.97 GJ
- ロケット燃料換算:0.97 GJ ÷ 100 MJ = 約10本
新しい給熱塔を建てるたびにロケット燃料10本程度が「初期投資」として消えます。燃料ロジスティクスの計画に含めておきましょう。

給熱塔の配置間隔
1基の給熱塔がカバーできる範囲は、接続された建物の合計熱消費量によって決まります。給熱塔自体の最大出力は温度と燃料供給に依存しますが、実用上の目安は以下の通りです:
- 小規模(合計2〜3 MW以下):給熱塔1基で十分
- 中規模(合計5〜8 MW):給熱塔2〜3基を並列接続
- 大規模(合計10 MW超):給熱塔を分散配置し、ヒートパイプで繋ぐ
ヒートパイプは距離によって温度が下がります。1本の給熱塔から伸ばす場合、実用的な最大距離は50〜80タイル程度と考えてください。それ以上は途中に追加の給熱塔を設置するか、パイプの本数を増やします。
ヒートパイプのルーティングパターン
ヒートパイプは凍結せず、環境への熱損失もありません。接続された建物が熱を消費するときだけ熱が流れます。以下に、実用的な3つのルーティングパターンを紹介します。
パターンA:直線型(メインバス沿い)
適用場面:メインバス方式の工場で、ベルトラインに沿って一方向に伸ばすレイアウト
給熱塔 ═══════════════════════════ ヒートパイプ(直線)
‖
‖ [組立機][組立機][組立機][組立機]
‖ ════════════════════════════
‖ [組立機][組立機][組立機][組立機]
‖
‖ ベルト ベルト ベルト ベルト ベルト ベルト
- 利点:シンプルで分かりやすい。拡張が容易
- 欠点:末端の温度が下がりやすい。長距離には不向き
- 目安:組立機8〜12台程度までの小規模ライン向け
パターンB:グリッド型(2方向分岐)
適用場面:中規模の工場ブロック。南北と東西にヒートパイプを格子状に配置
║ ║ ║
═════════╬══════════╬══════════╬═════════
║ [工場] ║ [工場] ║
║ ║ ║
═════════╬══════════╬══════════╬═════════
║ [工場] ║ [工場] ║
║ ║ ║
═══ 給熱塔 ═════════╬══════════╬═════════
║ [工場] ║ [工場] ║
║ ║ ║
- 利点:熱が均等に行き渡る。どの区画も給熱塔から近い
- 欠点:ヒートパイプの使用量が多い。レイアウトがやや複雑
- 目安:20〜40台の設備がある中規模ブロック向け
パターンC:スパイン型(中央幹線+枝分かれ)
適用場面:大規模工場。中央に太い幹線(ヒートパイプ2〜3本並列)を通し、そこから枝分かれさせる
[製造ブロックA]
║
給熱塔 ═══╦═══╦════╬════╦═══╦═══ 給熱塔
║ ║ ║ ║ ║
[ブロックB] ║ [ブロックD]
║
[ブロックC]
※ 幹線部分はヒートパイプ2〜3本を並列に走らせると
スループットが上がり、温度低下を防げます
- 利点:大規模に対応可能。給熱塔を両端に置くと安定性が高い
- 欠点:計画的な設計が必要。後から変更しにくい
- 目安:50台以上の設備がある大規模工場向け
TIPS:ヒートパイプは1 MJ/°Cの熱容量を持ちます。並列に2本走らせると容量が2倍になり、より多くの建物に安定して給熱できます。大規模工場では幹線を2〜3本並列にするのが定石です。
コンクリートの断熱ルール
アクィロの地面は氷で覆われています。この氷の地面と建物の関係を理解することが重要です。
氷の融解問題
- 加熱された建物やヒートパイプは、周囲の氷を溶かしてしまう
- 氷が溶けると水たまりになり、建物を設置できなくなる場合がある
- コンクリート(またはストーンブリック)を先に敷いておくことで、氷の融解を防止できる
コンクリートが必要なもの
- ヒートパイプの経路全体
- 給熱塔の周囲
- 加熱される建物(組立機、化学プラント等)の下と周囲
- 熱が通るすべてのエリア
コンクリート不要なもの
- チェスト(凍結しないし加熱もされない)
- 電柱(凍結しない)
- 壁・ゲート
- レール
建設順序が重要:まずコンクリートを敷く → 次にヒートパイプを配置 → 最後に建物を建てる。この順番を守らないと、氷が溶けてレイアウトが崩れます。建設ロボットに任せる場合も、ブループリントの設置順序に注意しましょう。
熱の予算計算の実例
実際の生産ラインで必要な熱量を計算してみましょう。
例:小規模な緑基板ライン
構成:組立機4台、インサーター8本(各2本ずつ)、搬送ベルト20タイル
| エンティティ | 数量 | 単価 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 組立機 | 4台 | 200 kW | 800 kW |
| インサーター | 8本 | 150 kW | 1,200 kW |
| 搬送ベルト | 20タイル | 10 kW | 200 kW |
| 合計 | 2,200 kW(2.2 MW) |
たった4台の組立機でも2.2 MWの熱が必要です。注目すべきはインサーターが全体の半分以上(1,200 kW / 2,200 kW = 55%)を占めていること。組立機よりインサーターのほうが熱コストの主役です。
例:中規模の石油化学ライン
構成:化学プラント6台、インサーター12本、パイプ30タイル、ポンプ2台、搬送ベルト15タイル
| エンティティ | 数量 | 単価 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 化学プラント | 6台 | 150 kW | 900 kW |
| インサーター | 12本 | 150 kW | 1,800 kW |
| パイプ | 30タイル | 40 kW | 1,200 kW |
| ポンプ | 2台 | 20 kW | 40 kW |
| 搬送ベルト | 15タイル | 10 kW | 150 kW |
| 合計 | 4,090 kW(約4.1 MW) |
石油化学ラインはパイプが長くなりがちで、パイプ30タイルだけで1.2 MWも消費します。パイプの総延長を短くする設計が重要です。
判断基準:給熱塔1基で安定供給できるのは概ね3〜5 MW程度です。上記の石油化学ラインなら1基でギリギリ。余裕を持たせるなら2基にしましょう。合計が5 MWを超えたら確実に給熱塔の追加が必要です。
よくある凍結トラブルと対処法

トラブル1:「一部のインサーターだけ凍結する」
原因:ヒートパイプから2タイル以上離れている。隣接判定は斜めを含む1タイルなので、建物の端がヒートパイプから離れすぎると凍結します。
対処:ヒートパイプを追加して、すべての建物が1タイル以内に熱源を持つようにする。インサーターは1×1なので特に見落としやすいです。
トラブル2:「給熱塔の燃料がすぐなくなる」
原因:接続された建物の合計熱消費量が大きすぎる。特にインサーターと地下ベルトの多用が原因になりやすい。
対処:上記の熱予算計算を行い、給熱塔の数を適切に増やす。また、地下ベルトを通常ベルトに置き換えることで大幅に節約できます。
トラブル3:「ヒートパイプの先端で温度が足りない」
原因:ヒートパイプが長すぎて、末端まで十分な熱が届いていない。途中の建物が熱を消費し、先端に到達する熱量が不足。
対処:ヒートパイプを2本並列にして容量を増やすか、末端近くに追加の給熱塔を設置する。スパイン型(パターンC)の両端給熱塔方式が有効です。
トラブル4:「建物の下の氷が溶けてしまった」
原因:コンクリートを敷かずに加熱された建物を設置した。
対処:一度建物を撤去し、コンクリートを敷いてから再設置する。予防として、建設前に必ず「コンクリート → ヒートパイプ → 建物」の順序を守る。
トラブル5:「拡張したら既存ラインも凍結し始めた」
原因:同じ給熱塔に接続された建物が増えすぎて、全体の熱供給が不足。新しい建物が熱を奪い、既存の建物の温度が下がった。
対処:拡張部分に新しい給熱塔を追加する。既存のヒートパイプネットワークに接続してもよいが、必ず給熱塔の追加とセットで行う。「建物を足すなら給熱塔も足す」をルールにしましょう。
まとめ
アクィロの加熱設計で押さえるべきポイントをまとめます:
- 凍結は30°C以下で発生し、隣接1タイル以内に熱源が必要
- インサーターが熱コストの主役(150 kW/本)。組立機より高い
- 地下ベルトは通常ベルトの5倍。短距離では使わない
- 給熱塔1基で3〜5 MWが実用的な上限
- コンクリートを先に敷くのを忘れずに
- ヒートパイプは環境に熱を失わない。長距離でも安心だが、途中の消費には注意
- 拡張時は必ず給熱塔を追加する
凍結との戦いは大変ですが、適切な設計をすれば安定した工場を運営できます。熱予算を計算し、ヒートパイプのルーティングを計画的に行いましょう!