Factorioでは燃料(Fuel)はゲーム序盤から終盤まで欠かせないリソースです。ボイラーで蒸気を発生させるだけでなく、車両の動力源、暖房塔の熱源、そしてロケットの打ち上げにまで燃料が必要になります。
しかし、燃料には複数の種類があり、それぞれエネルギー量・入手性・特殊効果が異なります。「どの燃料をいつ使うべきか」「固体燃料と石炭はどれくらい差があるのか」——こうした疑問に答えるため、本記事ではFactorioの全燃料を徹底比較し、最適な使い分けを解説します。
燃料の基本:エネルギー値(Fuel Value)とは
Factorioの各燃料アイテムには「燃料値(Fuel Value)」が設定されています。単位はジュール(J)で、MJ(メガジュール)やGJ(ギガジュール)で表記されます。この値が大きいほど、1個あたりの燃焼時間が長く、高効率です。
燃料値はボイラーや炉の消費速度に直結します。たとえばストーンファーネス(石の炉)の消費速度は90kW。石炭(4MJ)を入れると、1個あたり約44.4秒燃焼します。木材(2MJ)なら約22.2秒です。つまり燃料値が2倍なら、補給頻度は半分になります。
スタックサイズとエネルギー密度
実用上、スタック(1枠)あたりのエネルギー量も重要です。列車やインサータの補給回数に直接影響するためです。
| 燃料 | 燃料値 | スタックサイズ | 1スタックのエネルギー |
|---|---|---|---|
| 木材(Wood) | 2 MJ | 100 | 200 MJ |
| 石炭(Coal) | 4 MJ | 50 | 200 MJ |
| 固体燃料(Solid Fuel) | 12 MJ | 50 | 600 MJ |
| ロケット燃料(Rocket Fuel) | 100 MJ | 10 | 1,000 MJ(1 GJ) |
| 核燃料(Nuclear Fuel) | 1.21 GJ | 1 | 1,210 MJ(1.21 GJ) |
注目すべきは核燃料が1個で1.21GJという圧倒的なエネルギー密度です。1スタック=1個ですが、ロケット燃料1スタック(1GJ)より高エネルギーです。列車の燃料スロットに1個入れるだけで、非常に長い距離を走行できます。
全燃料タイプ:ランキングと詳細解説
1位:核燃料(Nuclear Fuel) — 1.21 GJ
ゲーム内最高の燃料値を誇る究極の燃料です。
- 燃料値:1.21 GJ(1,210 MJ)
- 加速ボーナス:+150%
- 原料:ロケット燃料1 + ウラン235 1個
- 製造:遠心分離機
核燃料の最大の特徴は、+150%の加速ボーナスです。列車に使うと加速が2.5倍になり、停車→発進がものすごく速くなります。大規模列車ネットワークでは列車の加速性能がスループットに直結するため、このボーナスは非常に強力です。
ただし、製造にはウラン235が必要で、安定供給にはコバレックス濃縮プロセス(Kovarex Enrichment Process)が事実上必須です。コバレックスなしではウラン235の入手量が極めて少なく、核燃料の量産は現実的ではありません。
2位:ロケット燃料(Rocket Fuel) — 100 MJ
固体燃料から大幅にステップアップする高性能燃料です。
- 燃料値:100 MJ
- 加速ボーナス:+80%
- 原料:固体燃料10個 + 軽油10単位
- 製造:組立機2以上
固体燃料の約8.3倍のエネルギーを持ち、列車やスパイダートロンに最適です。加速ボーナス+80%も優秀で、核燃料が用意できない段階ではベストチョイスになります。
また、ロケットサイロでのロケット打ち上げにも必要です。ロケット1機あたりロケット燃料が必要なので、宇宙進出フェーズでは大量生産体制が求められます。
3位:固体燃料(Solid Fuel) — 12 MJ
石油精製が始まったら真っ先に量産すべき、中盤の主力燃料です。
- 燃料値:12 MJ
- 加速ボーナス:+20%
- 原料:軽油/重油/石油ガスのいずれか
- 製造:化学プラント
石炭の3倍のエネルギーで、石油精製さえ稼働すれば無限に生産できます。石炭は鉱脈が枯渇しますが、固体燃料は石油がある限り作り続けられるのが大きなメリットです。
4位:石炭(Coal) — 4 MJ
序盤から中盤の主力燃料です。
- 燃料値:4 MJ
- 加速ボーナス:なし
- 入手:採掘
プラスチックや爆薬の原料としても使うため、中盤以降は燃料としてではなく素材として温存したくなります。石油精製が安定したら、できるだけ早く固体燃料に切り替えるのがセオリーです。
5位:木材(Wood) — 2 MJ
最も原始的な燃料です。
- 燃料値:2 MJ
- 加速ボーナス:なし
- 入手:木の伐採
ゲーム最序盤、石炭を掘り始めるまでの「つなぎ」として使います。木を手動で切り倒して炉に放り込む——Factorioの最初の体験です。ただし自動化が難しく、燃料値も低いので、石炭が手に入ったらすぐ切り替えましょう。
Space Age DLCの追加燃料
Space Age DLCでは、新しい惑星で使える特殊な燃料が追加されました。
栄養素(Nutrients) — 2 MJ
- 燃料値:2 MJ
- 用途:バイオチャンバー(Biochamber)の燃料
- 入手:グレバ(Gleba)の生物由来レシピ
グレバの製造施設「バイオチャンバー」専用の燃料です。バイオチャンバーは通常の電力ではなく栄養素で動作するため、グレバでの生産活動には栄養素の安定供給が不可欠です。
腐敗物(Spoilage) — 250 kJ
- 燃料値:250 kJ(0.25 MJ)
- 用途:バイオチャンバーの低品質燃料、焼却処分
- 入手:グレバの食品が腐敗して生成
グレバでは多くのアイテムが時間経過で腐敗し、腐敗物になります。燃料値はごくわずかですが、バイオチャンバーの燃料として使えるため、廃棄物の有効活用として重要です。余った腐敗物をバイオチャンバーで燃やして処理するのは、グレバ攻略の基本テクニックです。
車両の加速ボーナス:燃料選びが速度を変える
Factorioの車両(車、列車、スパイダートロン)は、使用する燃料の種類によって加速力にボーナスが付きます。これは最高速度には影響しませんが、加速にかかる時間を大幅に短縮します。
| 燃料 | 加速ボーナス | 加速倍率 |
|---|---|---|
| 木材 | なし | 1.0x |
| 石炭 | なし | 1.0x |
| 固体燃料 | +20% | 1.2x |
| ロケット燃料 | +80% | 1.8x |
| 核燃料 | +150% | 2.5x |
列車で特に効果が大きく、駅の間隔が短い路線や、発着頻度が高いネットワークでは、加速ボーナスがスループットを目に見えて改善します。
具体例:機関車1両+貨物車両4両の編成で、停車状態から最高速度(298km/h)に達するまでの時間は、石炭で約14秒、核燃料で約5.6秒と大幅に短縮されます。
固体燃料の3つのレシピ:どれが最も効率的か
固体燃料は化学プラントで製造しますが、原料として3種類の石油製品から選べます。
レシピ比較
| 原料 | 必要量 | 製造時間 | エネルギー効率 |
|---|---|---|---|
| 軽油(Light Oil) | 10単位 | 1秒 | 最高 |
| 重油(Heavy Oil) | 20単位 | 1秒 | 中 |
| 石油ガス(Petroleum Gas) | 20単位 | 1秒 | 最低 |
結論:軽油からの製造がベスト
軽油レシピが最も効率的です。理由は以下の通りです。
- 必要量が半分:軽油は10単位で1個、重油・石油ガスは20単位で1個。同じ原油投入量から、軽油経由が最も多く固体燃料を生産できます。
- 石油精製の副産物処理:発展的石油精製では軽油が余りがち。固体燃料にすれば軽油の行き先ができ、精製が止まるのを防げます。
- 石油ガスは他の用途が多い:プラスチック、硫酸、電子基板など、石油ガスの需要は高い。燃料にするのはもったいない場合が多いです。
推奨レイアウト:石油精製所の隣に化学プラントを設置し、軽油パイプを直接接続。余剰軽油がそのまま固体燃料になる構成が理想です。ただし、重油のクラッキング(重油→軽油)も設置しておくと、重油の余剰も軽油経由で固体燃料に変換できます。
注意:石油ガスレシピの使いどころ
石油ガスからの固体燃料は効率が悪いですが、石油ガスが余っている時のバッファ解消には有効です。石油精製は3種の液体を同時に生成するため、どれか1つがタンク満杯になると精製全体が停止します。石油ガスが溢れそうなら、固体燃料にして消費するのは合理的な判断です。
各燃料の製造ライン設計
固体燃料の製造ライン
最も基本的な燃料製造ラインです。
必要な施設:
- 石油精製所(発展的石油精製)
- 化学プラント(固体燃料製造)
- パイプ接続(軽油ラインから化学プラントへ)
- インサータ+ベルトで完成品を搬出
設計のポイント:
- 精製所1基あたり軽油45/秒を生産(発展的石油精製)
- 化学プラント1基あたり軽油10/秒を消費
- つまり精製所1基に対して化学プラント約4基が対応
- 速度モジュールを入れると比率が変わるので注意
ロケット燃料の製造ライン
必要な施設:
- 組立機2以上(ロケット燃料レシピ)
- 固体燃料の供給ライン(ベルトまたはロボット)
- 軽油のパイプ接続
レシピ:固体燃料10個 + 軽油10単位 → ロケット燃料1個(製造時間30秒)
設計のポイント:
- 製造時間が30秒と長い。大量生産には多数の組立機が必要
- 固体燃料10個を消費するため、固体燃料ラインの規模に注意
- 軽油のパイプ接続が必要——組立機の液体入力に直接パイプを繋ぐ
- ロケットサイロ用に大量に必要になるフェーズでは、専用ラインを構築
核燃料の製造ライン
必要な施設:
- 遠心分離機(核燃料レシピ)
- ウラン235の供給(コバレックス濃縮プロセスから)
- ロケット燃料の供給ライン
レシピ:ロケット燃料1個 + ウラン235 1個 → 核燃料1個(製造時間90秒)
設計のポイント:
- コバレックス濃縮が前提:ウラン235を安定供給するにはコバレックス濃縮プロセスが必須。ウラン鉱石の採掘→ウラン処理→コバレックス濃縮→核燃料製造という長いチェーンになります。
- 製造時間90秒とかなり長いが、1個あたりの燃料値が圧倒的なので大量には不要
- 列車ネットワーク用なら遠心分離機1〜2基で十分な供給量
- ウラン235は核燃料棒にも使うので、割り当てを考慮すること
用途別:最適な燃料の選び方
炉(ファーネス)の燃料
おすすめ:石炭 → 固体燃料 → 電気炉に移行
石の炉・鋼鉄の炉には燃料が必要ですが、最終的には電気炉(Electric Furnace)に移行するのが正解です。電気炉は燃料不要で、モジュールスロットもあるため、エンドゲームでは電気炉一択です。
移行前の燃料選びとしては:
- 序盤:石炭をベルトで直接供給
- 中盤:固体燃料に切り替え(補給頻度3倍減)
- 終盤:電気炉に建て替え(燃料不要に)
ロケット燃料や核燃料を炉に使うのは過剰投資です。電気炉への移行に投資した方が効率的です。
列車の燃料
おすすめ:固体燃料 → ロケット燃料 → 核燃料
列車は加速ボーナスの恩恵が最も大きい乗り物です。
- 列車を使い始めた段階:固体燃料でOK。石炭でも動きますが、+20%の加速ボーナスは体感できます。
- 列車ネットワーク拡大後:ロケット燃料に切り替え。+80%の加速で駅間の移動効率が明確に上がります。
- コバレックス濃縮プロセス解禁後:核燃料一択。+150%加速で列車がロケットのように加速し、補給頻度も激減します。
列車の燃料補給設計:燃料用の専用駅を作るか、各ステーションにインサータで燃料を補給するか。列車数が少ないうちは各駅に燃料チェストを置く方式で十分ですが、大規模になったら燃料補給専用ステーションの方が管理しやすくなります。
車(Car)・戦車(Tank)の燃料
おすすめ:ロケット燃料
車と戦車は手動運転なので、加速ボーナスの体感が特に大きいです。ロケット燃料(+80%加速)を積めばキビキビ走れます。核燃料でもいいですが、車や戦車はそれほど燃料を消費しないため、ロケット燃料で十分です。
暖房塔(Heating Tower)の燃料 — Space Age
おすすめ:固体燃料 or ロケット燃料
Space Age DLCのアクイロ(Aquilo)では暖房塔が重要な熱源です。暖房塔は燃料を燃やして周囲のパイプや設備を暖めます。寒冷惑星では固体燃料以上の高エネルギー燃料を使い、暖房効率を高めるのが定石です。
ロケットサイロ
必須:ロケット燃料
ロケットサイロはロケット打ち上げにロケット燃料を要求します(ロケットパーツの材料として)。ここは選択の余地がなく、ロケット燃料の安定供給が必要です。
燃料切り替えのタイミング
効率的な工場運営のために、以下のタイミングで燃料をアップグレードしましょう。
木材 → 石炭:ゲーム開始直後
石炭鉱脈を見つけたらすぐ切り替え。採掘ドリルで自動供給できるのが最大のメリットです。優先度は高く、最初の自動化目標の一つです。
石炭 → 固体燃料:石油精製の稼働後
石油精製を建てたら、まず固体燃料の製造をセットアップ。化学プラント1〜2基から始めて、余剰軽油を固体燃料に変換。この時点でボイラーや列車の燃料を固体燃料に切り替えます。
固体燃料 → ロケット燃料:ロケットサイロ研究後
ロケット燃料のレシピが解禁されたら、列車の燃料をアップグレード。ロケットサイロ用の量産ラインも同時に構築します。
ロケット燃料 → 核燃料:コバレックス濃縮プロセス後
原子力発電を稼働させ、コバレックス濃縮でウラン235が安定供給できるようになったら核燃料を製造開始。主に列車用にアップグレードします。
よくある間違いと注意点
間違い1:石油ガスから固体燃料を大量生産
石油ガスはプラスチック・硫酸・電子基板に使う貴重な資源です。固体燃料は必ず軽油から作りましょう。石油ガスから作るのは、タンクが満杯になりそうな時の緊急措置に限定すべきです。
間違い2:コバレックスなしで核燃料を計画
通常のウラン処理ではウラン235の産出率は約0.7%。核燃料1個にウラン235が1個必要なので、コバレックスなしでは到底量産できません。核燃料を計画するなら、まずコバレックス濃縮プロセスの研究と設備構築が先です。
間違い3:炉にロケット燃料や核燃料を使う
確かに炉でも使えますが、高級燃料は車両向けに温存すべきです。炉は電気炉に移行するのが最終目標なので、中間段階では固体燃料で十分です。
間違い4:列車の燃料切り替えを後回しにする
「石炭で動いてるから別にいいや」と放置しがちですが、列車ネットワークが大きくなると加速ボーナスの差が顕著に出ます。渋滞の原因が実は「加速の遅い列車」だった、ということは意外と多いです。
間違い5:暖房塔に低品質燃料を使う(Space Age)
アクイロの暖房塔に木材や石炭を使うと、供給が追いつかずパイプが凍結します。最低でも固体燃料、可能ならロケット燃料を使いましょう。
燃料製造の自動化チェックリスト
工場の成長に合わせて、以下の順序で燃料の自動化を進めましょう。
- 石炭の自動採掘・分配:採掘ドリル → ベルト → 各施設。最初の自動化。
- 固体燃料の自動製造:石油精製所 → 軽油パイプ → 化学プラント → ベルト搬出。精製安定後すぐ。
- 石炭→固体燃料の切り替え:ボイラー・炉のベルトを固体燃料ラインに接続し直す。
- 列車の燃料自動補給:各駅にチェスト+インサータで固体燃料を補給する仕組み。
- ロケット燃料の製造ライン:固体燃料+軽油 → 組立機 → ロケット燃料。サイロ・列車用。
- 核燃料の製造ライン:コバレックス濃縮 → ウラン235 → 遠心分離機で核燃料化。列車のアップグレード。
まとめ:燃料は「段階的アップグレード」が鍵
Factorioの燃料システムは、ゲームの進行に合わせた段階的なアップグレードが前提の設計になっています。
| フェーズ | 主力燃料 | 切り替えトリガー |
|---|---|---|
| 序盤(開始〜石油前) | 石炭 | 石炭鉱脈の採掘開始 |
| 中盤(石油〜ロケット前) | 固体燃料 | 石油精製の稼働 |
| 後半(ロケット準備) | ロケット燃料 | ロケット関連研究の完了 |
| 終盤(原子力以降) | 核燃料 | コバレックス濃縮の稼働 |
各段階で適切な燃料を選び、製造ラインを整備することで、工場全体の効率が大幅に向上します。特に列車の加速ボーナスは見落としがちですが、大規模ネットワークでは非常に大きな差を生みます。
燃料の最適化は地味に見えますが、工場の血液ともいえる重要な要素です。この記事を参考に、あなたの工場の燃料システムを見直してみてください。