この記事のポイント
Factorioの精錬(Smelting)は、工場の最上流に位置する最重要プロセスです。本記事では石の炉・鋼の炉・電気炉・鋳造炉(Space Age)の4種類について、クラフト速度・ベルト飽和数・実用レイアウトまで数値ベースで徹底解説します。比率を覚えれば、設計が10倍楽になります。

精錬の基本

Factorioのすべての製造ラインは「鉱石(Ore)→ プレート(Plate)」の精錬から始まります。鉄鉱石は鉄板に、銅鉱石は銅板に。この変換を行うのが炉(Furnace)です。

精錬レシピの基本は非常にシンプルです。

  • 鉄鉱石 1個 → 鉄板 1枚(精錬時間: 3.2秒)
  • 銅鉱石 1個 → 銅板 1枚(精錬時間: 3.2秒)
  • 石 1個 → 石レンガ 1個(精錬時間: 3.2秒)

ここで重要なのは「精錬時間 3.2秒」はあくまでレシピ上の基準値であり、実際の精錬速度は炉のクラフト速度(crafting speed)によって変わるということです。

ゲームに登場する炉は以下の4種類です。

炉の種類 クラフト速度 燃料 モジュール サイズ
石の炉(Stone furnace) 1 石炭・木材 なし 2×2
鋼の炉(Steel furnace) 2 石炭・木材・固形燃料 なし 2×2
電気炉(Electric furnace) 2 電力(180kW) 2スロット 3×3
鋳造炉(Foundry)※Space Age 4 電力 4スロット 4×4

それでは、各炉を詳しく見ていきましょう。

石の炉(Stone furnace)

ゲーム開始直後から使える最も基本的な炉です。石5個でクラフトできるため、序盤のコストは非常に低いです。

基本スペック

  • クラフト速度: 1
  • 燃料: 石炭、木材
  • モジュール: なし
  • サイズ: 2×2タイル

精錬速度の計算

レシピの基準時間が3.2秒、クラフト速度が1なので、実際の精錬時間は 3.2 ÷ 1 = 3.2秒/個です。

つまり、1台の石の炉は1秒あたり 1 ÷ 3.2 = 0.3125枚/秒 のプレートを生産します。

この数値が、すべてのベルト計算の出発点になります。覚えてください:石の炉1台 = 0.3125 plates/sec。

黄色ベルトを満たすには?

黄色の搬送ベルトは片側7.5アイテム/秒、両側で15アイテム/秒を運べます。

15 ÷ 0.3125 = 48台

つまり、黄色ベルト1本を完全に飽和させるには石の炉48台が必要です。ベルトの両側に24台ずつ配置するのが基本レイアウトになります。

鋼の炉(Steel furnace)

中盤以降のアップグレード先として非常に優秀な炉です。石の炉の2倍の速度を同じ2×2サイズで実現します。

基本スペック

  • クラフト速度: 2(石の炉の2倍!)
  • 燃料: 石炭、木材、固形燃料、ロケット燃料
  • モジュール: なし
  • サイズ: 2×2タイル

精錬速度の計算

3.2 ÷ 2 = 1.6秒/個、つまり 0.625枚/秒。

石の炉のちょうど2倍の生産速度です。これにより、ベルト飽和に必要な炉の数が半分になります。

ベルト飽和数

  • 黄色ベルト(15/s): 15 ÷ 0.625 = 24台
  • 赤ベルト(30/s): 30 ÷ 0.625 = 48台

鋼の炉24台で黄色ベルト1本分。石の炉48台と同じ出力を半分の台数で達成できます。サイズも同じ2×2なので、精錬エリアの面積が半分になるのが大きなメリットです。

また、固形燃料やロケット燃料を使用できるため、燃料補給の頻度を大幅に減らせます。特に固形燃料は石炭の約2.3倍の燃料値があり、燃料ベルトの効率が格段に上がります。

電気炉(Electric furnace)

研究が進んだ後のエンドゲーム向け精錬設備です。スループットは鋼の炉と同じですが、決定的な違いが2つあります。

基本スペック

  • クラフト速度: 2(鋼の炉と同じ)
  • 電力消費: 180kW
  • モジュール: 2スロット
  • サイズ: 3×3タイル

鋼の炉との比較

素のスループットは鋼の炉と同等です。ベルト飽和数も変わりません。

  • 黄色ベルト: 24台
  • 赤ベルト: 48台
  • 青ベルト: 72台

では、なぜ電気炉にアップグレードするのか? 理由は明確です。

メリット1: 燃料ロジスティクスが不要

石炭や固形燃料のベルトを炉まで引く必要がなくなります。電力網につなぐだけでOK。設計がシンプルになり、ベルトの取り回しに余裕が生まれます。大規模精錬アレイでは、この違いが設計の簡潔さに直結します。

メリット2: モジュール対応

2つのモジュールスロットがあり、以下の戦略が取れます。

  • 生産性モジュール(Productivity): 鉱石の消費量を削減。同じ鉱石量からより多くのプレートを生産できます。長期的な資源効率を大幅に向上させます。
  • 速度モジュール(Speed): クラフト速度を上げ、1台あたりの生産量を増加。炉の台数を削減できます。
  • 効率モジュール(Efficiency): 電力消費を削減。汚染も減るため、バイター対策にもなります。

特に生産性モジュール3を2つ入れると、+20%の生産ボーナスが得られます。同じ鉱石量から20%多くプレートが出るため、鉱脈の寿命が実質的に延びます。

ただし3×3サイズであることに注意してください。鋼の炉の2×2に比べてスペース効率は劣ります。モジュールのメリットがこのサイズ増を上回るかどうかが、切り替えの判断基準になります。

鋳造炉(Foundry)― Space Age DLC

Space Age DLCで追加された、精錬の概念を根本から変える施設です。Vulcanus(ヴルカヌス)で解禁されます。

基本スペック

  • クラフト速度: 4(電気炉の2倍!)
  • 内蔵ボーナス: +50% 生産性(モジュール不要で最初から)
  • モジュール: 4スロット
  • サイズ: 4×4タイル
  • 入力: 溶融金属(Molten metal)を使用

何が革命的なのか

鋳造炉の真価は「溶融金属からの直接鋳造(Direct Casting)」にあります。

従来の流れ: 鉱石 → プレート → 中間素材(歯車、パイプなど)

鋳造炉の流れ: 溶融鉄 → 歯車(直接生産!)

つまり、プレートを経由せずに中間素材を直接作れるのです。対応レシピの例:

  • 溶融鉄 → 鉄板
  • 溶融鉄 → 鉄の歯車(プレート不要!)
  • 溶融鉄 → パイプ(プレート不要!)
  • 溶融銅 → 銅線(プレート不要!)
  • 溶融鉄 + 溶融銅 → 低密度ストラクチャー

さらに+50%の内蔵生産性ボーナスがあるため、100個の鉱石相当の溶融金属から150個分の製品が得られます。ここに生産性モジュール3を4つ入れると、合計で驚異的な生産効率に達します。

スループット計算: クラフト速度4なので、基本精錬の場合 3.2 ÷ 4 = 0.8秒/個、つまり1.25枚/秒。内蔵+50%を加味すると実質1.875枚/秒相当です。

黄色・赤・青ベルトの飽和数

ここまでの数値をまとめます。これが精錬設計の核となるテーブルです。このテーブルを覚えれば、設計に迷うことはなくなります。

炉の種類 1台の生産速度 黄色ベルト
(15/s)
赤ベルト
(30/s)
青ベルト
(45/s)
石の炉 0.3125/s 48台 96台 144台
鋼の炉 0.625/s 24台 48台 72台
電気炉 0.625/s 24台 48台 72台
鋳造炉(素) 1.25/s 12台 24台 36台
覚え方のコツ: 石の炉の「48台で黄色ベルト1本」を基準にしましょう。鋼の炉・電気炉はその半分(24台)、鋳造炉はさらにその半分(12台)。倍々で減っていくだけです。

精錬レイアウトパターン

比率がわかったら、次は実際の配置です。代表的な3パターンを紹介します。

パターンA: 直線型(ベルト両側に炉を配置)

最も基本的で、初心者にもわかりやすいレイアウトです。

構成:

  • 中央に鉱石供給ベルト1本
  • その両側に炉を一列ずつ配置
  • 炉の外側にプレート搬出ベルトを配置

メリット: シンプルで理解しやすい。拡張も端に炉を追加するだけ。
デメリット: 長くなりがち。48台(石の炉)だとかなりの長さになります。

インサータの配置は「鉱石ベルト→炉」と「炉→プレートベルト」の2つ。鋼の炉以下は燃料用に追加のインサータも必要です。

パターンB: 折り返し型(省スペース)

直線型を途中で折り返し、横幅を使ってコンパクトにまとめるレイアウトです。

構成:

  • 複数列の精錬ラインを並列に配置
  • 各列の終端でベルトを合流
  • 地下ベルトを使ってベルトを交差させる

メリット: 省スペース。ベースの中心部に収まりやすい。
デメリット: 設計がやや複雑。ベルトの合流で渋滞しないよう注意が必要。

パターンC: 列車投入型(大規模用)

大規模工場(メガベース)向けのレイアウトです。

構成:

  • 列車で鉱石を搬入するステーションを設置
  • チェストからベルトへの展開エリア
  • 大量の炉を並列配置(赤ベルト・青ベルト飽和を狙う)
  • 完成したプレートを列車で搬出

メリット: スケーラブル。鉱脈ごとに精錬を分散配置できる。
デメリット: 列車ネットワークの設計が前提。初心者には難しい。

実践アドバイス: 序盤はパターンAで始め、中盤にパターンBへ移行、メガベースを目指すならパターンCに進化させるのが自然な流れです。最初から完璧を目指す必要はありません。

鋼材(Steel)の比率

鋼材(Steel plate)は鉄板から作られる二次精錬品です。この比率は少し複雑なので、しっかり理解しておきましょう。

レシピ: 鉄板 5枚 → 鋼材 1枚(精錬時間: 16秒)

鋼の炉での計算

鋼の炉(クラフト速度2)で鋼材を作る場合:

  • 精錬時間: 16 ÷ 2 = 8秒/個
  • 生産速度: 0.125個/秒
  • 鉄板消費: 0.125 × 5 = 0.625枚/秒

ここで注目してください。鋼の炉1台の鉄板消費速度(0.625/s)は、鋼の炉1台の鉄板生産速度(0.625/s)とぴったり同じです。

つまり、理論上は 鉄板製造の鋼の炉1台 → 鋼材製造の鋼の炉1台 で比率が合います。

しかし、これは「鉄板5枚をまとめて投入する」タイミングの問題で、実際にはバッファが必要です。

実用的なアプローチ

理論比率に固執するよりも、以下の方法が実践的です。

  1. 専用の精錬アレイを作る: 鉄板生産ラインと鋼材生産ラインを分ける
  2. 鉄板をベルトで供給: 鉄板の黄色ベルト(15/s)を鋼材炉に投入
  3. 計算: 15 ÷ 0.625 = 24台の鋼の炉に鉄板を供給可能
  4. 鋼材の出力: 24台 × 0.125/s = 3/sの鋼材

黄色ベルト1本分の鉄板から、24台の鋼の炉で毎秒3個の鋼材が得られます。

よくある失敗と対策

精錬設計でよくあるミスと、その解決策をまとめます。

失敗1: ベルトが満杯にならない

症状: プレートのベルトにスキマがある。下流の組立機が止まる。

原因: 炉の台数が足りない。「だいたいこのくらいかな」で配置すると、ほぼ確実に足りません。

対策: 上のテーブルを参照して正確な台数を配置しましょう。黄色ベルトなら鋼の炉24台。これは妥協できない数字です。

失敗2: 炉が止まっている(アイドル状態)

症状: 炉はたくさんあるのに、動いていないものがある。

原因: 鉱石の供給が追いついていない。精錬能力に対して採掘能力が不足しています。

対策: 電動掘削機の台数を増やすか、複数の鉱脈からベルトを合流させましょう。鋼の炉24台(黄色ベルト1本分)には、黄色ベルト1本分の鉱石供給が必要です。当たり前ですが、見落としがちなポイントです。

失敗3: 鉱石とプレートを同じベルトに混ぜる

症状: ベルト上に鉱石とプレートが混在。炉に入るべきプレートが戻ってしまう。

原因: ベルトの設計ミスで、入力と出力が混ざっている。

対策: 鉱石ベルトとプレートベルトは必ず分離しましょう。これは精錬設計の鉄則です。鉱石の入力ラインと、プレートの出力ラインは物理的に別のベルトにしてください。フィルター付きスプリッターで分離することもできますが、最初から混ぜないのが一番です。

失敗4: 燃料切れ(石の炉・鋼の炉)

症状: 炉がすべて停止。「あ、石炭がない…」

原因: 燃料供給ベルトが途切れた。石炭の採掘が足りない。あるいは、石炭をボイラーと精錬で共有していて取り合いになっている。

対策: 燃料供給を安定させましょう。石炭の専用鉱脈を確保するか、早めに固形燃料に切り替えるのがおすすめです。最終的には電気炉に移行すれば、この問題は完全に解消されます。

最重要ルール: 精錬設計で迷ったら、まず「ベルトを何本満たしたいか」を決めてください。そこから必要な炉の台数が自動的に決まります。比率は嘘をつきません。数字を信じて設計すれば、必ずうまくいきます。

まとめ

精錬はFactorioの工場の土台です。ここが安定しなければ、どんなに凝った製造ラインも意味がありません。

最後にもう一度、核心の数字を確認しましょう。

  • 石の炉: 48台 = 黄色ベルト1本
  • 鋼の炉/電気炉: 24台 = 黄色ベルト1本
  • 鋳造炉: 12台 = 黄色ベルト1本

この3つの数字さえ覚えていれば、あとは掛け算するだけ。赤ベルトなら2倍、青ベルトなら3倍。比率を覚えれば、設計が10倍楽になります。

工場は成長させるものです。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは石の炉48台で黄色ベルト1本から始めて、ゲームの進行に合わせてアップグレードしていきましょう。

The Factory Must Grow!