2026年6月19日に Friday Facts #443「More Planet Deliveries」 が公開されました。担当は Klonan・V453000・Hrusa・Fearghall。回路ネットワークの大幅な機能拡張、着陸パッドの新しい荷下ろしベイ、宇宙プラットフォーム背景に映る惑星、列車ポンプやオイル精製所・組立機の刷新まで、見どころの多い回です。主要トピックを日本語でまとめます。
回路ネットワークの拡張(Klonan)
- ボイラー/熱交換器の回路接続:ボイラー系エンティティを回路ネットワークに接続できるようになり、バックアップ電源の構成が簡単に。Zsolti による熱交換器の新グラフィックとアニメーションも入っています。
- 地雷の回路接続:地雷を「トリップワイヤー(敵検知センサー)」として使えるようになりました。味方への誤爆がないため、うっかり自分の工場を吹き飛ばす心配がありません。
- 入力/出力の分離:回路の入力と出力を別々のワイヤー色に割り当てられるようになり、これまで必要だった「自己減算」の小細工が不要に。要求チェスト(リクエスター)では、内容物を読み取りながら同時に要求を設定できます。内容が変化しても高コストなネットワーク更新が不要になり、最適化の面でも有利です。
- 研究のラボ制御:回路条件で研究を自動的に切り替えられるようになりました。複数の「研究条件」を上から順に評価し、最初に一致した条件の技術が現在の研究になります。ラボが研究を制御している間は通知が出て、手動操作との競合を防ぎます。
着陸パッドの荷下ろしベイ(V453000)
インサータで中身を取り出せる、専用のカーゴベイ(荷下ろしベイ)が追加されます。これにより、列車・チェスト・ベルトなど、インサータが扱える対象へ柔軟に荷下ろしできるようになります。
サイズは4×5タイルで、2×2のカーゴベイ格子と2×2のレール格子の間に1タイルの隙間ができるよう調整されています。設置は着陸パッド周辺の限られた範囲(惑星上)に制限されており、宇宙プラットフォーム上には置けません。これは、延々と連なるカーゴベイの鎖で物流の課題を回避するのを防ぐためで、最大範囲は現状59タイル(技術やクオリティによるスケーリングは今のところなし、将来調整の可能性あり)。なお高架レールはカーゴベイの上を通過でき、通過中はカーゴポッドの受け取りが一時的に無効になるだけで、実用上ほとんど気になりません。
背景に映る惑星(Hrusa・Fearghall)
有志Mod「Visible Planets in Space」で示されたコミュニティの要望を受け、宇宙プラットフォームの背景に惑星が表示されるようになりました。既存のModをそのまま取り込むのではなく、到着・出発の演出も独自に作り直しています。
滑らかな自転にスプライトアニメを使うと数千フレームが必要になるため、開発陣はリアルタイムの3D球体レンダリングを実装。単純な四角形を3Dの球に変換し、リアルタイムライティングを乗せています。Fearghall は大気の光の効果をシェーダーで加え、雲のアニメーションには重いスプライトシートではなくテクスチャ歪みを使う効率的なフローマップ方式を採用。球面へのテクスチャ投影で生じる極付近のゆがみは、UVの再投影と極領域のベイクで目立たなくしています。フルゴラの稲妻は、球面上に短いアニメーションの小片(クアッド)を散らして循環させることでフルアニメーションのコストを避けており、PBRマップや多数の調整パラメータにも対応してModderがカスタマイズできます。
列車へのポンプ接続(V453000)
従来のポンプは、複数の位置・向きから液体貨車へ接続するために非常に複雑なアニメーションを抱えており、しかも「ぴったり位置が合った」貨車にしか接続できないという制限がありました。
そこで、スパイダートロンや農業タワーと同じ発想の「伸縮するアーム」機構でポンプを作り直し。どんな駅構成にも柔軟に追従し、長年の接続制限を解消しました。さらに、列車側に搭載したポンプへ液体貨車を接続するという、これまで不可能だった構成にも対応しています。
オイル精製所のリニューアル(V453000)
古いテクスチャのまま静止していたオイル精製所が、Space Ageの機械ディテール水準に合わせて全面的にビジュアル更新されました。象徴的な「リング付きのタワー」というシルエットは保ちつつ、現行エンティティと同様に可動部を追加。新設されたパイプの窓には、現在のレシピに応じた流体の色が表示され、見栄えと機能性の両面で分かりやすくなっています。
組立機のリデザイン(V453000)
組立機は、生産・技術の進歩・エンジニアリングの工夫という Factorio の核そのものであり、それだけにリデザインのハードルも高いエンティティです。過去にも複数回の試みがありましたが、いずれも未完に終わっていました。
今回は、保守的なデザインの維持と技術的進歩の表現を両立させるべく、Albert の旧デザインを土台に Earendel がティアごとのコンセプトアートを制作(これは Earendel に依頼できた最後の仕事だったとのこと)。それを Jerzy が最終グラフィックへ落とし込み、空間配置の大幅な見直しと、アーティスト陣全員による入念な共同調整を経て仕上げられています。
まとめ
回路ネットワークの入出力分離やラボ制御は、上級者の回路設計を一段とすっきりさせてくれそうです。荷下ろしベイや列車ポンプの刷新は物流の自由度を大きく広げ、背景の惑星や組立機・精製所のリデザインは見た目の満足度を確実に底上げしてくれます。2.1への期待がさらに膨らむ内容でした。
原文:Factorio公式ブログ – Friday Facts #443「More Planet Deliveries」(2026年6月19日)