ロケットサイロの研究が完了し、いよいよ最初のロケットを打ち上げる段階に到達したあなたへ。ロケット部品の生産は、Factorioにおける最大の生産チャレンジのひとつです。

ロケット1発を打ち上げるには、3種類のロケット部品をそれぞれ100個ずつ、合計300個をロケットサイロに供給する必要があります。この記事では、それぞれの部品の生産ラインをどう設計すべきか、ボトルネックは何か、そしてどうスケールアップするかを徹底的に解説します。

ロケット部品の概要:3つの柱

ロケットサイロが要求する3種類の部品は以下の通りです。

1. 低密度ストラクチャー(Low Density Structure / LDS)

  • レシピ:銅板×20 + 鋼鉄×2 + プラスチック棒×5
  • 製作時間:20秒(組立機3で20/1.25 = 16秒)
  • 必要数:100個/ロケット

2. ロケット制御ユニット(Rocket Control Unit / RCU)

  • レシピ:制御基板(青チップ)×1 + 速度モジュール1×1
  • 製作時間:30秒(組立機3で30/1.25 = 24秒)
  • 必要数:100個/ロケット

3. ロケット燃料(Rocket Fuel)

  • レシピ:固形燃料×10
  • 製作時間:30秒(組立機3で30/1.25 = 24秒)
  • 必要数:100個/ロケット

いずれも製作時間が長く、素材の要求量が膨大です。まずは各部品のボトルネックを分析し、その後に具体的な生産ライン設計へ進みましょう。

生産レート計算:連続打ち上げを目指す

最初の打ち上げでは「とにかく100個ずつ作れればいい」という考えでOKです。しかし、宇宙科学パック(スペースサイエンスパック)の継続的な生産を目指すなら、連続打ち上げのための生産レートを計算する必要があります。

基本計算

ロケットサイロは部品を受け取ってロケットを組み立てます。サイロ自体の組み立て時間も含めると、理想的な打ち上げ間隔は約3〜5分程度です。

仮に5分(300秒)ごとに1発打ち上げるとすると:

  • LDS:100個 / 300秒 = 0.33個/秒
  • RCU:100個 / 300秒 = 0.33個/秒
  • ロケット燃料:100個 / 300秒 = 0.33個/秒

必要な組立機の数(組立機3、モジュールなし)

組立機3のクラフト速度は1.25です。

  • LDS:1台あたり 1.25/20 = 0.0625個/秒 → 0.33/0.0625 = 約6台
  • RCU:1台あたり 1.25/30 = 0.0417個/秒 → 0.33/0.0417 = 約8台
  • ロケット燃料:1台あたり 1.25/30 = 0.0417個/秒 → 0.33/0.0417 = 約8台

これはモジュールなしの計算です。生産力モジュール(Productivity Module)を使えば大幅に効率化できます(後述)。

LDS(低密度ストラクチャー)の生産ライン設計

最大のボトルネック:銅板の消費量

LDSの生産で最も注意すべきは、銅板の消費量が尋常ではないことです。

1個のLDSに銅板が20枚必要です。100個で2,000枚の銅板。連続打ち上げなら毎分400枚以上の銅板をLDS生産だけに充てる必要があります。

具体的に計算してみましょう:

  • 0.33個/秒 × 銅板20 = 6.67銅板/秒
  • これは黄色ベルト(15アイテム/秒)の約半分を銅板だけで消費する計算
  • 鋼鉄:0.33 × 2 = 0.67個/秒(鉄板換算で3.33個/秒)
  • プラスチック:0.33 × 5 = 1.67個/秒

推奨レイアウト

LDSの生産ラインは以下のように構成します:

  1. 銅板の供給:専用の銅精錬ラインを設け、ベルトまたは列車で大量供給。電気炉48台(黄色ベルト1本分)を確保するのが理想的です。
  2. 鋼鉄の供給:鋼鉄はメインバスから分岐させるか、専用ラインを構築。消費量は比較的少ないですが、安定供給が重要です。
  3. プラスチックの供給:石油処理からのプラスチック生産を専用ラインで確保。石炭と石油ガスが必要です。
  4. 組立機の配置:組立機3を6〜8台並べ、両側からベルトで素材を供給。銅板は片側ベルトの両レーンを使っても足りない場合があるので注意。

設計のポイント

銅板の供給が追いつかないケースが非常に多いです。対策として:

  • LDS専用の銅鉱石採掘場と精錬所を確保する
  • 列車輸送で大量の銅板を安定供給する
  • ベルトのスループットに注意する(黄色ベルトなら15/秒、赤なら30/秒)
  • バッファチェストを活用して一時的な供給不足を吸収する

RCU(ロケット制御ユニット)の生産ライン設計

ボトルネック:青チップと速度モジュールのサプライチェーン

RCUは一見シンプルなレシピですが、その素材のサプライチェーンが極めて深いのが問題です。

制御基板(青チップ / Processing Unit)

制御基板1個の生産には:

  • 発展基板(赤チップ)×2
  • 電子基板(緑チップ)×20
  • 硫酸×5

さらに発展基板1個には電子基板×2 + 銅板×2 + プラスチック×2が必要。つまり青チップ1個で電子基板が合計24個消費されます。

速度モジュール1

速度モジュール1個の生産には:

  • 電子基板×5
  • 発展基板×5

速度モジュールの製作時間は15秒と長く、これ自体がボトルネックになりやすいです。

RCU生産の素材消費量(0.33個/秒の場合)

  • 青チップ:0.33個/秒
  • 速度モジュール:0.33個/秒
  • → 電子基板(緑チップ)の総消費:約10個/秒以上(青チップ経由 + 速度モジュール経由 + 赤チップ経由の合計)
  • → 銅線の消費も膨大(緑チップ1個に銅線3本 = 銅板1.5枚)

推奨レイアウト

  1. 緑チップ生産エリア:RCU用の専用緑チップ工場を設ける。組立機を大量に並べ、鉄板と銅線を安定供給。銅線は直接挿入(ダイレクトインサーション)が最も効率的です。
  2. 赤チップ生産エリア:緑チップ・銅板・プラスチックを供給。こちらも専用ラインが望ましい。
  3. 青チップ生産エリア:赤チップ・緑チップ・硫酸を供給。硫酸はパイプで接続。製作時間が10秒と短いので、組立機の数はそこまで多くなくてOK。
  4. 速度モジュール生産エリア:緑チップと赤チップを供給。製作時間15秒なので、0.33個/秒には約4台の組立機3が必要。
  5. RCU組立:青チップと速度モジュールを受け取って最終組立。8台の組立機3を配置。

設計のポイント

  • RCUのサプライチェーンは工場全体の中で最も複雑です。独立したサブファクトリーとして設計するのが吉。
  • 速度モジュールの生産が遅れがちなので、余裕を持った台数を確保する
  • 硫酸の供給を忘れずに。パイプの流量制限にも注意が必要

ロケット燃料の生産ライン設計

ボトルネック:安定した石油処理

ロケット燃料のレシピ自体はシンプルですが、固形燃料を大量に必要とするため、石油処理の安定運用がカギです。

固形燃料の生産ルート

固形燃料は3つのルートで生産できます:

  • 軽油から:軽油10 → 固形燃料1(最も効率的、推奨)
  • 石油ガスから:石油ガス20 → 固形燃料1
  • 重油から:重油20 → 固形燃料1

軽油ルートが最もお勧めです。発展石油処理を使い、重油→軽油のクラッキングを活用して軽油の生産量を最大化しましょう。

必要な生産量の計算

ロケット燃料1個に固形燃料10個が必要です。

  • 0.33個/秒 × 固形燃料10 = 3.33固形燃料/秒
  • 軽油ルートの場合:3.33 × 軽油10 = 33.3軽油/秒
  • これを支えるには、精油所を十分な数だけ稼働させる必要があります

推奨レイアウト

  1. 石油処理セクション:精油所8〜12基で発展石油処理。重油→軽油クラッキングを積極的に行う。
  2. 固形燃料生産:化学プラントで軽油から固形燃料を生産。化学プラント6〜8基。
  3. ロケット燃料組立:組立機3を8台配置。固形燃料をベルトで供給。

設計のポイント

  • 石油処理は他の用途(プラスチック、硫酸、潤滑油など)とも共有するため、ロケット燃料専用の石油処理ラインを検討する
  • 石油ガスが余りがちな場合は、石油ガス→固形燃料のラインも追加してバランスを取る
  • タンクでバッファを確保し、石油処理の停止を防ぐ
  • ポンプを適切に配置してパイプのスループットを確保する

生産力モジュールの重要性

ロケット部品の生産において、生産力モジュール(Productivity Module)は絶対に使うべきです。その理由を説明します。

なぜ生産力モジュールが必須なのか

生産力モジュール3を組立機3に4つ挿入すると:

  • 生産性ボーナス:+40%(追加素材なしで40%多く生産)
  • 速度ペナルティ:-60%(ビーコンで補う)
  • 電力消費増加:+280%

ロケット部品は素材コストが高いため、生産力モジュールによる40%の節約効果は絶大です。

具体的な節約効果

LDS 100個を生産する場合(生産力モジュール3×4使用):

  • 実際に組立機でクラフトが必要な回数:100 / 1.4 ≈ 72回
  • 銅板の節約:(100-72) × 20 = 560枚
  • 鋼鉄の節約:(100-72) × 2 = 56個
  • プラスチックの節約:(100-72) × 5 = 140個

この節約は、サプライチェーン全体の負荷軽減につながります。

推奨モジュール配置

  • ロケットサイロ:生産力モジュール3×4(ここが最も効果的)
  • LDS組立機:生産力モジュール3×4
  • RCU組立機:生産力モジュール3×4
  • ロケット燃料組立機:生産力モジュール3×4
  • 青チップ組立機:生産力モジュール3×3
  • 赤チップ組立機:生産力モジュール3×4
  • 緑チップ組立機:生産力モジュール3×4

速度ペナルティはビーコン(速度モジュール3×2)で補います。8〜12個のビーコンで組立機を囲むのが定番の配置です。

ロケットサイロでの統合

サイロへの供給設計

3種類のロケット部品をロケットサイロに供給する方法は主に2つです:

方法1:ベルト供給

  • 3本のベルトでそれぞれの部品を運ぶ
  • シンプルで分かりやすい
  • サイロの近くに生産ラインを配置する必要がある

方法2:列車供給

  • 各部品を列車で輸送してサイロに供給
  • 生産ラインを遠くに配置できる
  • 大規模基地向け

サイロの設定

  • ロケットサイロにも生産力モジュール3を4つ入れる
  • 自動打ち上げを設定する(回路条件やロケットが完成したら自動で打ち上げ)
  • 衛星(Space Age以前)やカーゴポッドの積載を設定する

Space Age DLCでの変更点

Space Age DLCを導入している場合、ロケット部品の生産に大きな変更があります。

鋳造炉(Foundry)でのLDS生産

ヴルカヌスで入手できる鋳造炉は、LDSの生産を劇的に効率化します:

  • 鋳造レシピ:鋳造炉はLDSを直接鋳造できる特別なレシピを持つ
  • 素材効率が向上し、中間素材のステップを省略できる
  • 生産力モジュール+品質モジュールの組み合わせで高品質LDSも狙える
  • ヴルカヌスの溶�ite環境を活かした大規模生産が可能

電磁プラント(Electromagnetic Plant)でのRCU生産

フルゴラで入手できる電磁プラントは、RCU関連の生産を強化します:

  • 電磁プラントは基板系のクラフトに特化した施設
  • クラフト速度が高く、基板の生産効率が大幅に向上
  • RCUのサプライチェーン全体を電磁プラントで構築することで、コンパクトかつ高効率な生産が可能
  • 品質機能を活かして、高品質の制御基板や速度モジュールを生産できる

品質(Quality)システムの活用

Space Ageの品質システムにより:

  • 高品質のロケット部品は性能が向上
  • 品質モジュールと生産力モジュールのバランスを考える必要がある
  • レジェンダリー品質の部品を狙うことで、少ない素材でより効率的なロケット運用が可能

スケーリング戦略:初打ち上げから連続打ち上げへ

フェーズ1:最初の打ち上げ

まずはゲームクリアを目指す段階です。

  • 各部品の組立機は2〜3台で十分
  • 生産力モジュールは手持ちがあれば使う(なくてもOK)
  • 既存のメインバスから素材を分岐させる
  • 銅板の供給だけは十分に確保する(LDSの銅板消費に注意)
  • 目標時間:30分〜1時間で100個ずつ生産できれば十分

フェーズ2:定期的な打ち上げ(10〜15分間隔)

宇宙科学パックの研究を始める段階です。

  • 各部品に専用の生産ラインを構築
  • 組立機を4〜6台に増やす
  • 生産力モジュール1〜2をロケットサイロと主要な組立機に装備
  • 銅と鉄の採掘・精錬を拡張する
  • 石油処理を専用ラインに分ける

フェーズ3:連続打ち上げ(3〜5分間隔)

本格的なメガベース志向の段階です。

  • 各部品に組立機8〜12台(ビーコン使用なら4〜6台)
  • 全組立機に生産力モジュール3を装備
  • ビーコン(速度モジュール3×2)を配置して速度ペナルティを相殺
  • 列車ネットワークで素材を安定供給
  • 専用の採掘前哨基地と精錬所を設ける
  • 複数のロケットサイロの稼働も検討

フェーズ4:メガベース(1分以下の間隔)

SPM(Science Per Minute)を追求する段階です。

  • 複数のロケットサイロを並列稼働
  • 各素材の専用工場(サブファクトリー)を列車で接続
  • UPSの最適化も考慮した設計
  • ビーコンサンドイッチ配置で最大効率を追求

ブループリントのヒント

効率的なロケット部品生産のブループリントを作成する際のポイントです:

LDS生産ブループリント

  • 組立機3×8台を2列に配置
  • 銅板は赤ベルト(30/秒)で供給
  • 鋼鉄とプラスチックは黄色ベルトで十分
  • ビーコン使用時は組立機の間にビーコンを配置する「サンドイッチ」レイアウト

RCU生産ブループリント

  • 緑チップ→赤チップ→青チップ→速度モジュール→RCUの順に上流から下流へ配置
  • 各段階でのインサーター速度とベルトスループットを計算
  • 硫酸パイプの配置を忘れずに

ロケット燃料ブループリント

  • 精油所→クラッキング→固形燃料→ロケット燃料の一直線レイアウト
  • 液体のバッファタンクを各段階に配置
  • ポンプで流量を確保

参考ブループリント集

コミュニティで共有されている優れたブループリントはFactorio Printsで「rocket」と検索すると見つかります。また、公式ブログでも設計のヒントが紹介されています。

よくあるトラブルと対策

Q: LDSの生産が遅い

A: ほぼ確実に銅板の供給不足です。LDS生産ラインへの銅板供給量を確認し、専用の精錬ラインを追加しましょう。赤ベルト以上での供給を推奨します。

Q: RCUが全然足りない

A: 速度モジュールの生産がボトルネックになっていることが多いです。速度モジュール用の組立機を増やし、緑チップと赤チップの供給を強化しましょう。

Q: ロケット燃料の生産が止まる

A: 石油処理のバランスが崩れている可能性があります。石油ガスが消費されずに溜まっていると、精油所が停止します。石油ガスの消費先(プラスチック、硫酸、固形燃料への変換)を確保しましょう。

Q: サイロに部品が均等に届かない

A: 3種類の中で最も生産が遅い部品がボトルネックになります。各部品の生産レートを回路ネットワークで監視し、バランスを取りましょう。

まとめ

ロケット部品の生産は、Factorioの工場設計スキルの集大成です。重要なポイントを振り返りましょう:

  1. LDS:銅板の大量消費が最大の課題。専用の銅精錬ラインを確保する
  2. RCU:サプライチェーンの深さが課題。青チップと速度モジュールの安定供給がカギ
  3. ロケット燃料:石油処理の安定運用が課題。軽油ルートが最も効率的
  4. 生産力モジュール:全ての段階で使うべき。素材節約効果が絶大
  5. スケーリング:最初は小規模でOK。段階的に拡張していく

完璧を目指す必要はありません。まずは動くラインを作り、ボトルネックを見つけて改善していく。それがFactorioの醍醐味です。ロケットの打ち上げ成功を祈っています!