緑回路(電子回路)はFactorioで最も大量に必要な中間素材です。サイエンスパック、モジュール、さらには上位の赤回路・青回路の原料としても消費され、工場の規模が大きくなるほど膨大な量が求められます。

この記事では、電子回路の生産ラインを正確な比率計算に基づいて設計し、ベルト1本分から8本分までスケーリングする方法を詳しく解説します。初心者から中級者まで、ライン設計の「なぜそうなるのか」を理解できる内容を目指しました。

電子回路のレシピと基本比率

レシピの確認

まず、電子回路に関わる2つのレシピを正確に把握しましょう。

銅線(Copper Cable)

  • 材料:銅板 1枚
  • 生産物:銅線 2本
  • クラフト時間:0.5秒(組立機2で0.75倍速 → 実質0.67秒)

電子回路(Electronic Circuit)

  • 材料:鉄板 1枚 + 銅線 3本
  • 生産物:電子回路 1個
  • クラフト時間:0.5秒(組立機2で0.75倍速 → 実質0.67秒)

黄金比率:銅線3台 対 電子回路2台

ここが最も重要なポイントです。組立機2を使う場合の計算を見てみましょう。

銅線の組立機1台あたりの生産速度:

  • 0.5秒で2本生産(基本速度)
  • 組立機2のクラフト速度は0.75 → 0.5 / 0.75 = 0.667秒で2本
  • 1秒あたり 2 / 0.667 = 3.0本/秒

電子回路の組立機1台あたりの消費速度:

  • 1回のクラフトで銅線3本を消費
  • 0.667秒で1回クラフト
  • 1秒あたり 3 / 0.667 = 4.5本/秒の銅線を消費

つまり、電子回路の組立機1台に対して銅線の組立機が 4.5 / 3.0 = 1.5台必要です。

電子回路2台に対しては 1.5 × 2 = 3台の銅線組立機が必要。

結論:銅線3台 + 電子回路2台 = 完璧な比率

この「3:2」の比率はFactorioプレイヤーなら絶対に覚えておくべき数字です。この比率を崩すと、どちらかの組立機がアイドル状態になり、スペースと電力の無駄になります。

組立機3を使う場合

組立機3のクラフト速度は1.25です。速度が変わっても、両方のレシピのクラフト時間が同じ(0.5秒)なので、比率は3:2のまま変わりません。組立機3を使うと単純に全体のスループットが上がるだけです。

組立機 クラフト速度 電子回路/秒(2台) 比率
組立機1 0.50 2.0 3:2
組立機2 0.75 3.0 3:2
組立機3 1.25 5.0 3:2

ベルト1本を埋めるために必要な組立機の数

Factorioでは「ベルトを埋める」ことが生産ライン設計の基本単位です。各ベルトの搬送量は以下の通りです。

ベルト種類 搬送量(片側) 搬送量(両側合計)
黄色ベルト 7.5個/秒 15個/秒
赤ベルト 15個/秒 30個/秒
青ベルト 22.5個/秒 45個/秒

組立機2の場合

電子回路の組立機2は1台あたり 0.75 / 0.5 = 1.5個/秒を生産します。

ベルト 必要な電子回路組立機 必要な銅線組立機 合計組立機
黄色ベルト(15/秒) 10台 15台 25台
赤ベルト(30/秒) 20台 30台 50台
青ベルト(45/秒) 30台 45台 75台

組立機3の場合

電子回路の組立機3は1台あたり 1.25 / 0.5 = 2.5個/秒を生産します。

ベルト 必要な電子回路組立機 必要な銅線組立機 合計組立機
黄色ベルト(15/秒) 6台 9台 15台
赤ベルト(30/秒) 12台 18台 30台
青ベルト(45/秒) 18台 27台 45台

組立機3は高コストですが、スペース効率が大幅に改善します。後述するモジュールとの相性も良いため、中盤以降はこちらを推奨します。

レイアウトパターン

比率がわかったところで、実際のレイアウト設計を見ていきましょう。主要な3パターンを紹介します。

パターン1:インライン直接挿入方式(初心者におすすめ)

最もシンプルで効率的な方式です。銅線の組立機と電子回路の組立機を隣接させ、インサーターで直接受け渡しします。

メリット:

  • 銅線をベルトに載せる必要がない(銅線はスタック数が少なくベルト効率が悪い)
  • 省スペース
  • インサーターの電力消費が最小限

レイアウト例(組立機2、3:2比率の1ユニット):

  [銅板ベルト]
      ↓
  [銅線組立機] → [電子回路組立機] ← [鉄板ベルト]
  [銅線組立機] → [電子回路組立機] ← [鉄板ベルト]
  [銅線組立機] →↗
      ↑
  [銅板ベルト]

銅線3台を電子回路2台に直接挿入します。3台目の銅線組立機からは、ロングアームインサーターを使って2台目の電子回路組立機に供給するのがポイントです。

重要なコツ:銅線をベルトに載せてはいけない理由

銅線のスタックサイズは200で、1スロットあたりの密度はそこまで悪くありませんが、レシピ上1個の電子回路に銅線3本が必要なため、ベルト搬送量の3倍が必要になります。直接挿入なら、この問題を完全に回避できます。

パターン2:サイドローディング方式(中級者向け)

ベルトのサイドローディングを活用して、銅板と鉄板を1本のベルトの左右に載せる方式です。

レイアウト例:

  [鉄板]→ ベルト ←[銅板]   ← 左右に別素材
           ↓
      [分配器で分岐]
       ↓       ↓
  [電子回路]  [銅線] → [電子回路へ直接挿入]

メリット:

  • 入力ベルトが1本で済む(省スペース)
  • メインバスからの引き込みが簡単

デメリット:

  • 片側7.5個/秒の制約がある(黄色ベルトの場合)
  • 大規模化には向かない

パターン3:モジュラー方式(大規模生産向け)

「3:2ユニット」を1つのモジュールとして、これを繰り返し並べる方式です。大規模工場(メガベース)で最も使われるパターンです。

設計思想:

  • 1モジュール = 銅線組立機3台 + 電子回路組立機2台
  • 入力:銅板ベルト + 鉄板ベルト
  • 出力:電子回路ベルト
  • モジュールを縦に並べて出力ベルトを共有

スケーリング例(組立機2):

目標 必要モジュール数 電子回路組立機 銅線組立機
黄色ベルト1本 5 10 15
赤ベルト1本 10 20 30
青ベルト1本 15 30 45

モジュール間のベルト配線を標準化しておけば、必要に応じてコピー&ペーストで拡張できます。ブループリントとの相性が抜群です。

原料供給の計算

電子回路の生産ラインを設計する際、「出力のベルトだけ計算して入力を忘れる」のはよくある失敗です。

鉄板の消費量

電子回路1個あたり鉄板1枚を消費します。つまり、出力と同じ量の鉄板ベルトが必要です。

  • 黄色ベルト1本の電子回路 → 黄色ベルト1本の鉄板
  • 赤ベルト1本の電子回路 → 赤ベルト1本の鉄板
  • 青ベルト1本の電子回路 → 青ベルト1本の鉄板

銅板の消費量

電子回路1個あたり銅線3本が必要で、銅線2本あたり銅板1枚が必要です。つまり、電子回路1個あたり銅板1.5枚を消費します。

  • 黄色ベルト1本の電子回路 → 黄色ベルト1.5本分の銅板(=赤ベルト約0.75本)
  • 赤ベルト1本の電子回路 → 赤ベルト1.5本分の銅板(=青ベルト1本)
  • 青ベルト1本の電子回路 → 青ベルト1.5本分の銅板

銅板の方が鉄板より多く必要という点は見落としがちです。精錬ラインの設計時に注意してください。

生産性モジュールによる最適化

生産性モジュールは電子回路の生産効率を大幅に向上させます。ただし、速度が低下するため、速度モジュール付きのビーコンと組み合わせるのが定石です。

生産性モジュール3の効果

  • 生産性ボーナス:+10%
  • 速度ペナルティ:-15%
  • エネルギー消費:+80%

組立機3には4つのモジュールスロットがあります。生産性モジュール3を4つ入れると:

  • 生産性:+40%(つまり100個作るところを140個作れる)
  • 速度:-60%(大幅に遅くなる)

ビーコンとの組み合わせ

速度低下を補うために、速度モジュール3入りのビーコンを周囲に配置します。ビーコン1台あたり速度+50%を付与するため、8台のビーコンで囲めば:

  • ビーコンからの速度ボーナス:+50% × 8 = +400%
  • 生産性モジュールの速度ペナルティ:-60%
  • 最終的な速度倍率:1.0 + 4.0 – 0.6 = 4.4倍

生産性+40%と速度4.4倍を合わせると、実質的な生産量は 4.4 × 1.4 = 6.16倍になります。モジュールなしの組立機3と比べて6倍以上の生産量を1台で叩き出せるわけです。

モジュール使用時の比率変化

生産性モジュールを使うと、銅線の生産にも+40%のボーナスが乗るため、必要な銅線組立機の数が変わります。

銅線側にも生産性モジュール3×4を入れた場合:

  • 銅線1台あたりの実質生産量:元の1.4倍
  • 電子回路1台あたりの銅線消費量:変わらない(生産性は「追加で」生産するため)
  • 新しい比率:おおよそ銅線2台:電子回路2台(1:1に近づく)

ただし、ビーコンの配置によって正確な数値は変わるため、実際にはレートを計算ツール(Kirk McDonaldのCalculator や Factorio Lab)で確認することを強く推奨します。

Space Age:鋳造炉(Foundry)による革新

Space Age DLCで追加されたヴルカヌスの鋳造炉(Foundry)は、電子回路の生産を根本から変えるポテンシャルがあります。

鋳造炉の特徴

  • クラフト速度:4.0(組立機3の3.2倍!)
  • モジュールスロット:4つ
  • 生産性ボーナス:鋳造レシピに対して+50%の組み込み生産性
  • サイズ:4×4(組立機3の3×3より大きい)

鋳造炉での銅線レシピ

鋳造炉では「溶融銅 → 銅線」のレシピが使えます(ヴルカヌスでアンロック)。

  • 溶融銅を直接銅線に変換
  • 銅板を経由しないため、精錬のステップを省略
  • 組み込み+50%の生産性が乗る

これにより、銅鉱石 → 溶融銅 → 銅線 → 電子回路 というラインが、従来の 銅鉱石 → 銅板 → 銅線 → 電子回路 よりも大幅に効率的になります。

鋳造炉を使った電子回路生産

鋳造炉のクラフト速度4.0と+50%組み込み生産性により、少数の鋳造炉で大量の銅線を生産できます。これは大規模な電子回路ラインにおいてスペース効率を劇的に改善します。

ただし、鋳造炉はヴルカヌスの技術を解放する必要があるため、Space Ageのプレイが前提になります。ノーチラス(Nauvis)だけでプレイしている場合は、従来の組立機ベースで設計しましょう。

1ベルトから8ベルトへのスケーリング戦略

工場の成長に合わせて、電子回路の生産ラインをスケーリングする方法を段階的に解説します。

序盤:黄色ベルト1本(15個/秒)

目標:最初のサイエンスパック生産を安定させる

組立機1を使っても問題ありません。まずは動くラインを作ることが最優先です。

  • 組立機1の場合:電子回路10台 + 銅線15台
  • 組立機2の場合:電子回路7台 + 銅線10台(端数切り上げ)
  • 入力:鉄板 黄色ベルト1本 + 銅板 黄色ベルト1.5本

中盤:赤ベルト2本(60個/秒)

目標:軍事サイエンス、化学サイエンスの生産に対応

このあたりから組立機2への移行と、モジュラー方式のレイアウトが重要になります。

  • 組立機2の場合:電子回路40台 + 銅線60台
  • 入力:鉄板 赤ベルト2本 + 銅板 赤ベルト3本
  • ポイント:銅板の供給がボトルネックになりやすいので注意

終盤:青ベルト4本(180個/秒)

目標:ロケットサイロ、全サイエンスパック安定生産

組立機3 + 生産性モジュールの導入が現実的になります。

  • モジュールなし組立機3:電子回路72台 + 銅線108台
  • 生産性モジュール3×4 + ビーコン8台の場合:大幅に台数削減(計算ツール推奨)
  • 入力:鉄板 青ベルト4本 + 銅板 青ベルト6本

メガベース:青ベルト8本(360個/秒)

目標:1000SPM(1秒あたりサイエンスパック1000個)以上

ここまで来ると、生産性モジュール+ビーコンは必須です。ビーコンなしでは組立機の数が膨大になり、UPS(Updates Per Second)への影響も無視できません。

  • ビーコン付き組立機3の場合:計算ツールで正確なレイアウトを設計
  • 鉄鉱石・銅鉱石の採掘から精錬までの全工程を見直す必要あり
  • 列車による原料輸送ネットワークの最適化が鍵

よくあるボトルネックと対策

1. 銅板の供給不足

症状:銅線の組立機が頻繁に停止する

原因:電子回路1個あたり銅板1.5枚が必要だが、鉄板と同じ量しか供給していない

対策:銅板の精錬ラインを鉄板の1.5倍の規模で設計する。メインバスでも銅板のレーン数を多めに確保すること。

2. インサーターのスループット不足

症状:組立機の周囲に素材は十分あるのに、生産が追いつかない

原因:黄色インサーターでは高速な組立機に追いつけない場合がある

対策:高速インサーターまたはスタックインサーターを使用する。特に銅線→電子回路の直接挿入にはスタックインサーターが効果的。

3. ベルトの搬送量超過

症状:ベルト上のアイテムが詰まって流れない

原因:1本のベルトに載せるアイテム量がベルトの搬送能力を超えている

対策:出力ベルトのアップグレード、または複数ベルトへの分散出力。分配器を使って均等に振り分ける。

4. 電力不足

症状:組立機の動作が遅くなる(アイコンに雷マーク)

原因:大量の組立機とインサーターによる電力消費

対策:電力網の増強。組立機2が25台(黄色ベルト1本分)で約4MW消費するため、事前に電力計算を行う。

5. スペース不足

症状:ラインを拡張したいが場所がない

原因:最初の設計時にスケーリングを考慮していなかった

対策:モジュラー方式で設計し、拡張方向を最初から確保する。Factorioの世界は無限に広いので、スペースをケチらないこと。

設計チェックリスト

電子回路の生産ラインを設計する際のチェックリストです。

  1. 比率の確認:銅線と電子回路の組立機比率は3:2になっているか?
  2. 銅線は直接挿入か?:銅線をベルトに載せていないか?
  3. 入力ベルトの計算:鉄板と銅板の供給量は十分か?(銅板は鉄板の1.5倍必要)
  4. 出力ベルトの容量:生産量に対してベルトのグレードは適切か?
  5. インサーターの速度:素材の受け渡しにボトルネックはないか?
  6. 電力供給:新しいラインの電力消費に対応できるか?
  7. スケーリング余地:将来の拡張スペースは確保されているか?

まとめ

電子回路(緑回路)はFactorioの工場全体を支える最重要中間素材です。以下のポイントを押さえれば、効率的な生産ラインを構築できます。

  • 基本比率3:2(銅線3台:電子回路2台)を必ず守る
  • 銅線は直接挿入でベルト搬送を避ける
  • 銅板は鉄板の1.5倍必要であることを忘れない
  • モジュラー設計でスケーリングに対応する
  • 中盤以降は生産性モジュール+ビーコンで効率を劇的に向上
  • Space Ageでは鋳造炉が新たな選択肢に

緑回路の生産ラインは、Factorioのライン設計の基本中の基本です。ここでしっかり比率計算とレイアウトの考え方を身につければ、赤回路、青回路、さらには複雑なサイエンスパックラインの設計にも自信を持って取り組めるでしょう。

まずは3:2の比率で小さなラインを作り、動作を確認してから徐々にスケールアップしていくことをおすすめします。Factorioの工場は一度に完璧を目指す必要はありません。The factory must grow!