- 搬送ベルトは黄15/s・赤30/s・青45/s・ターボ90/s。片側はその半分
- スループット計算ができれば「ベルトが足りない」問題の9割は解決する
- 分配器の優先入出力を使いこなせばバランサーは最小限でOK
- ベルトvs列車vsロボットは距離と量で使い分けるのが正解
- Space Ageのターボベルトは90/sの超高速。ヴルカヌスで解禁
はじめに:ベルトを制する者がFactorioを制する
Factorioで最初に出会う物流手段、それが搬送ベルトです。一見シンプルに見えますが、実はベルトの仕組みを正しく理解しているかどうかで、工場全体の効率が劇的に変わります。
「なぜかラインが詰まる」「生産が追いつかない」「バランサーを置いたのに改善しない」──こうした悩みの多くは、ベルトのスループット計算を知るだけで解決できます。
この記事では、ベルトの基本スペックから分配器の高度な使い方、バランサーの設計、そして列車やロボットとの使い分けまで、数字ベースで徹底解説します。初心者の方もベテランの方も、ぜひ手元のFactorioを開きながら読んでみてください。
搬送ベルトの基本スペック
4種類のベルトと搬送速度
Factorioには4種類の搬送ベルトがあります(Space Age DLC込み)。最も重要な数字は1秒あたりの搬送アイテム数です。
| ベルトの種類 | 搬送速度 | 片側あたり | 必要な研究 |
|---|---|---|---|
| 🟡 黄色ベルト(搬送ベルト) | 15 items/s | 7.5 items/s | なし(初期) |
| 🔴 赤ベルト(高速搬送ベルト) | 30 items/s | 15 items/s | 物流2 |
| 🔵 青ベルト(超高速搬送ベルト) | 45 items/s | 22.5 items/s | 物流3 |
| 🟣 ターボベルト(Space Age) | 90 items/s | 45 items/s | ヴルカヌス限定 |
「片側」の概念が超重要
Factorioのベルトには左側と右側があります。これは見た目だけでなく、実際にアイテムが独立した2レーンで流れています。
例えば黄色ベルトの場合:
- ベルト全体:15 items/s
- 左側だけ:7.5 items/s
- 右側だけ:7.5 items/s
この「片側」の概念は、サイドローディングや分配器を使う際に絶対に知っておくべき知識です。片側にしかアイテムが乗っていないベルトは、スループットが半分しか出ていません。逆に言えば、片側だけで十分な場合はわざわざ両側に流す必要はないのです。
インサータとの関係
ベルトに載せる・取り出すにはインサータが必要です。各インサータの秒間処理量も押さえておきましょう。
| インサータ | 搬送速度(概算) | 黄ベルトを満たすのに必要な本数 |
|---|---|---|
| バーナーインサータ | 約0.6 items/s | 25本 |
| インサータ | 約0.83 items/s | 18本 |
| 長いインサータ | 約1.2 items/s | 13本 |
| 高速インサータ | 約2.31 items/s | 7本 |
| ロングハンドスタックインサータ | 約4.62 items/s | 4本 |
※ 数値はバニラ・無研究ボーナス時の概算です。スタックインサータ研究やモジュールで大きく変わります。
地下ベルトと分配器
地下ベルトの基本
地下ベルトは障害物の下をくぐらせるだけでなく、ベルトの密度を上げる重要なテクニックでもあります。同じスペースにより多くのラインを通せるため、コンパクトな工場設計には欠かせません。
最大距離(ギャップ)
| 地下ベルトの種類 | 最大ギャップ | 入口と出口を含めた距離 |
|---|---|---|
| 🟡 黄色地下ベルト | 4タイル | 6タイル |
| 🔴 赤色地下ベルト | 6タイル | 8タイル |
| 🔵 青色地下ベルト | 8タイル | 10タイル |
| 🟣 ターボ地下ベルト | 8タイル | 10タイル |
豆知識:地下ベルトの間に別の種類の地下ベルトを通すことができます。例えば、黄色の地下ベルトの間に赤の地下ベルトを交差させることが可能です。これを利用するとベルトの編み込み(ウィービング)ができ、非常にコンパクトな設計が実現できます。
分配器(スプリッター)の基本
分配器はベルトを2つに分岐・合流させる装置です。基本動作は単純で、入力を50:50に分割して出力します。
しかし、分配器の真の力は以下の3つの設定にあります:
- 優先入力(Input Priority):左右どちらの入力を優先するか
- 優先出力(Output Priority):左右どちらの出力を優先するか
- フィルター:特定のアイテムだけを片側に振り分ける
この3つの機能を組み合わせることで、驚くほど多彩な物流制御が可能になります。詳しくは後述の「分配器の高度な使い方」セクションで解説します。
スループット計算の基礎
なぜスループット計算が重要なのか
「ベルトが足りない」と感じたとき、闇雲にベルトを増やすのはNGです。まず計算しましょう。Factorioは数字のゲームです。数字で考えれば、必ず答えが出ます。
基本の計算式
スループット計算の基本は非常にシンプルです:
実例:鉄板の生産ライン
具体的に計算してみましょう。黄色ベルト1本分の鉄板(15/s)を生産するには何が必要でしょうか?
石炉(Stone Furnace)の場合:
- 石炉の鉄板精錬速度:1クラフト/3.2秒 = 0.3125 items/s
- 黄色ベルト1本 = 15 items/s
- 必要な石炉の数:15 ÷ 0.3125 = 48台
鋼鉄炉(Steel Furnace)の場合:
- 鋼鉄炉の鉄板精錬速度:1クラフト/1.6秒 = 0.625 items/s
- 黄色ベルト1本 = 15 items/s
- 必要な鋼鉄炉の数:15 ÷ 0.625 = 24台
電気炉(Electric Furnace)の場合:
- 電気炉の鉄板精錬速度:1クラフト/1.6秒 = 0.625 items/s
- 赤ベルト1本 = 30 items/s
- 必要な電気炉の数:30 ÷ 0.625 = 48台
このように、「何台の機械でベルト1本が埋まるか」を常に意識することが重要です。
よく使う数字一覧
| レシピ | 1台あたりの生産速度 | 黄ベルト1本に必要な台数 | 赤ベルト1本に必要な台数 |
|---|---|---|---|
| 鉄板(鋼鉄炉) | 0.625/s | 24台 | 48台 |
| 銅板(鋼鉄炉) | 0.625/s | 24台 | 48台 |
| 鋼鉄(鋼鉄炉) | 0.0625/s | 240台 | 480台 |
| 歯車(組立機2) | 0.75/s | 20台 | 40台 |
| 電子基板(組立機2) | 0.75/s | 20台 | 40台 |
※ 組立機のティアやモジュールによって変動します。目安としてご活用ください。
サイドローディング
サイドローディングとは
サイドローディングとは、ベルトの横からベルトに合流させるテクニックです。これにより、ベルトの片側だけにアイテムを載せることができます。
基本的なサイドローディング
ベルトAが右に向かって流れているとき、ベルトBを上から下向きにベルトAにぶつけると、ベルトBのアイテムはベルトAの右側(遠い側)にだけ載ります。逆に下から上向きにぶつけると左側に載ります。
この動作を利用すると:
- 2種類のアイテムを1本のベルトに載せる(左に鉄板、右に銅板など)
- 片側だけ使うことで半分の搬送量にする(制御目的)
- 2つの生産ラインの出力を1本にまとめる
地下ベルトを使ったサイドローディング
地下ベルトの出口にベルトを横からぶつけると、片側のアイテムだけを取り出すことができます。これは非常に強力なテクニックで、ベルトの左右を分離する最も簡単な方法です。
手順:
- 両側にアイテムが載ったベルトを地下ベルトに入れる
- 地下ベルトの出口に対して、横方向からベルトを接続する
- 片側のアイテムだけが横方向に引き出される
この方法は2アイテム混載ベルトを分離するのに非常に便利です。例えば精錬エリアから鉄板と銅板を1本のベルトで運んできた場合、サイドローディングで簡単に分離できます。
分配器の高度な使い方
優先出力(Output Priority)
最もよく使う設定です。片側の出力を優先することで、メインラインにアイテムを流しつつ、余剰分だけサブラインに流すといった制御ができます。
使い方の例:メインバスからの分岐
- 分配器を設置
- 優先出力を「直進方向」に設定
- メインラインは優先的に直進し続ける
- 分岐先にはメインラインが満杯のときだけアイテムが流れる
…と思いがちですが、実は逆です!分岐先に優先出力を設定することで、必要な分だけ分岐先に送り、残りをメインラインに流します。メインバス設計では、この理解が非常に重要です。
優先入力(Input Priority)
2つの入力ベルトがあるとき、片側を優先して消費する設定です。
使い方の例:バッファからの合流
- メイン生産ラインとチェスト(バッファ)からの2本のベルトを合流させる
- メイン生産ラインを優先入力に設定
- メインが途切れたときだけバッファから補充される
この「優先入力+優先出力」の組み合わせは、物流の安定性を劇的に向上させます。
フィルター機能
分配器にはアイテムフィルターを設定できます。指定したアイテムを片側に振り分け、それ以外をもう片側に流します。
活用シーン:
- 混載ベルトから特定アイテムだけを抜き出す
- 採掘機の出力から石を分離する(鉄鉱石と石が混ざる場合)
- リサイクラー(Space Age)のループで不要品を仕分ける
分配器でロードバランシング
分配器1つで簡易的なロードバランシングができます。2本のベルトを分配器に入れるだけで、出力は自動的に50:50に均等化されます。
しかし、入力が片方だけの場合は注意が必要です。1本の入力を分配器で2本に分けると、それぞれの出力は元のベルトの半分のスループットになります。これは当然のことですが、「バランサーを通せば倍になる」と誤解している人が意外と多いです。分配器やバランサーはアイテムを増やしません。分配するだけです。
バランサーとは
バランサーの役割
バランサーとは、複数の入力ベルトのアイテムを均等に再分配して出力する装置のことです。分配器を複数組み合わせて構築します。
例えば「4-4バランサー」は、4本の入力ベルトを受け取り、どの入力にアイテムが偏っていても、4本の出力に均等に分配します。
本当にバランサーが必要な場面
ここで重要な事実をお伝えします:バランサーは、多くの人が思っているほど必要ありません。
バランサーが本当に必要なのは:
- 複数の生産ラインに完全に均等に分配したい場合
- 列車の積み込み/積み下ろしで複数のインサータに均等供給したい場合
- 複数の入力ソースを合流させる場合(鉱脈が複数ある場合など)
逆に、バランサーが不要な場面:
- メインバスの途中(優先出力付き分配器で十分)
- 生産が消費を上回っている場合(自然にベルトが満杯になる)
- 「なんとなく不安だから」(これが最も多い不要バランサーの理由!)
アドバイス:バランサーを置く前に「本当にここで均等分配が必要か?」と自問してください。多くの場合、分配器の優先入出力設定だけで解決できます。
4-4バランサーの作り方
ステップ・バイ・ステップ
それでも必要な場面はあるので、最も基本的な4-4バランサーの作り方を解説します。
構造(上から見た図):
入力1 ──→ [分配器A] ──→ 上段
入力2 ──→ [分配器A] ──→ 下段
│
上段 → [分配器C] → 出力1
(交差)
下段 → [分配器D] → 出力2
入力3 ──→ [分配器B] ──→ 上段
入力4 ──→ [分配器B] ──→ 下段
│
上段 → [分配器C] → 出力3
(交差)
下段 → [分配器D] → 出力4
手順:
- 第1段:入力1と入力2を分配器Aに入れる。入力3と入力4を分配器Bに入れる
- 交差:分配器Aの上出力と分配器Bの上出力を、地下ベルトを使って交差させる。下出力も同様に交差させる
- 第2段:交差後のベルトを分配器Cと分配器Dに入れる
- 完成:分配器Cと分配器Dの出力が、バランスされた4本の出力になる
合計分配器4個と地下ベルト2組で構築できます。スペースはおよそ4×7タイル程度です。
スループット制限に注意
バランサーにはスループット制限がある場合があります。入力が1本だけの場合、理論上は4本の出力それぞれに25%ずつ流れるはずですが、実際にはベルトの圧縮率の問題で100%のスループットが出ないことがあります。
これを解決するには、各出力に優先出力付きの分配器をループバックとして追加する「スループット制限なしバランサー」を構築する必要があります。ただし、実用上はこの制限が問題になることは稀です。
ベルト vs 列車 vs ロボット
3つの物流手段の比較
Factorioには3つの主要な物流手段があります。それぞれに得意な場面があり、距離とスループットで使い分けるのが正解です。
| 項目 | ベルト | 列車 | ロボット |
|---|---|---|---|
| 得意な距離 | 短〜中距離(~100タイル) | 中〜長距離(100タイル〜) | 短距離(~50タイル) |
| スループット | 最大45/s(青) | 非常に高い(貨物車1両=40スタック) | 低〜中(ロボット数依存) |
| レイテンシ | 距離に比例 | 距離にほぼ一定 | 距離に比例 |
| 設置コスト | 低い | 高い(駅、信号) | 中(ロボステーション) |
| UPS負荷 | 低い | 中程度 | 高い(大量時) |
| 柔軟性 | 低い(固定ルート) | 中(ルート変更可能) | 高い(自由配送) |
距離による使い分けの目安
- 50タイル以内:ベルトが最適。シンプルで確実
- 50〜200タイル:ベルトでも列車でもOK。スループット要件で判断
- 200タイル以上:列車一択。ベルトでは遅延が大きすぎる
- 少量多品種:ロボットが便利。研究施設への供給など
メガベースでの考慮
1000SPM(Science Per Minute)以上のメガベースを目指す場合、UPS(Updates Per Second)が重要な制約になります。
- ベルト:UPS効率が最も良い。メガベースの主力
- 列車:長距離輸送のUPS効率が良い。拠点間の輸送に最適
- ロボット:大量に飛ばすとUPSを圧迫する。ピンポイントで使うべき
メガベースでは「ベルト+列車」の組み合わせが王道です。ロボットは建設用とごく一部の物流に限定するのがベストプラクティスです。
Space Ageのターボベルト
90 items/sの衝撃
Space Age DLCで追加されたターボベルトは、青ベルトの2倍となる90 items/sという驚異的な搬送速度を誇ります。
| 比較 | 青ベルト | ターボベルト | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 搬送速度 | 45 items/s | 90 items/s | 2倍 |
| 片側 | 22.5 items/s | 45 items/s | 2倍 |
| ベルト密度 | 8 items/tile | 8 items/tile | 同じ |
ヴルカヌスでの解禁
ターボベルトはヴルカヌス(Vulcanus)で研究・製造が解禁されます。素材にはタングステン板と溶岩が必要で、ヴルカヌスの工場でしか製造できません(ロケットで持ち帰ることは可能)。
ヴルカヌスでターボベルトが重要な理由:
- 溶岩処理の超高スループットが必要
- 鋳造炉のレシピが大量のアイテムを出力する
- 惑星の限られたスペースで効率を最大化したい
ターボベルトが必要な場面
ナウビス本星では、実はターボベルトが必要になる場面はそれほど多くありません。青ベルト2本で代替できるからです。ターボベルトが真価を発揮するのは:
- ヴルカヌスの鋳造ライン:大量の溶融金属を処理する
- 2000SPM以上のメガベース:スペース効率が重要になる
- 列車の積み込み/積み下ろし:高速インサータ×12の出力を受けるには青ベルトでは足りない場合がある
よくある間違いとTips
間違い1:「バランサーを置けば解決する」
バランサーはアイテムを増やしません。入力15/sなら出力も15/sです。生産が足りていないのに物流で解決しようとしても無駄です。まず生産量を確認しましょう。
間違い2:「ベルトは全部青にすればいい」
青ベルトは高コストです。黄色ベルトで十分な場所に青ベルトを敷くのはリソースの無駄遣い。必要なスループットを計算して、適切なティアを選びましょう。
間違い3:「片側が空いているから損している」
片側にしかアイテムがなくても、その量で十分なら問題ありません。ベルトが満杯でなくても、消費に対して供給が足りていればOKです。
間違い4:「分配器で均等に分ければ完璧」
分配器は入力を50:50に分けますが、下流の消費速度が違えば片側が詰まります。優先出力を設定して、消費が多い側を優先するのが正しい使い方です。
間違い5:「地下ベルトは損をする」
地下ベルトは地上ベルトとまったく同じスループットです。コストは高くなりますが、搬送量が減ることはありません。むしろ密度を上げられるメリットがあります。
実践Tips
- Alt表示を活用:Altキーを押すとベルト上のアイテムが見えます。ボトルネックの特定に必須
- ベルトの圧縮:ベルトが満杯(圧縮状態)になっているかどうかは見た目で判断できます。アイテム間に隙間があれば、供給が追いついていない証拠
- ブループリントを活用:バランサーなど定型構造はブループリントに保存しておきましょう
- 「Show Bottleneck」系のmod:生産のボトルネックを可視化してくれるmodを導入すると、どこが詰まっているか一目瞭然です
おすすめブループリント
バランサーの設計は自分で考えるのも楽しいですが、実用的には既存のブループリントを使うのが効率的です。以下のリソースが定番です:
- Factorio Balancer Benchmark:各種バランサーの性能を比較したサイト
- Factorio Prints:コミュニティのブループリント共有サイトで「balancer」で検索
- Reddit r/factorio:最新のバランサー設計が日々共有されている
特に便利なのは以下のサイズのバランサーです:
- 4-4バランサー:最も使用頻度が高い。列車の積み下ろしに最適
- 2-2バランサー:分配器1つで完成。最もシンプル
- 8-8バランサー:大規模メインバスに。ただし大きいので設置場所に注意
まとめ
ベルトと物流は、Factorioの根幹を成すシステムです。ここまでの内容を整理しましょう:
- スペックを覚える:黄15/s、赤30/s、青45/s、ターボ90/s
- 片側の概念を理解する:ベルトには左右があり、それぞれ半分の速度
- スループットを計算する:必要量÷ベルト速度=必要本数
- 分配器を使いこなす:優先入出力とフィルターで9割の物流問題は解決
- バランサーは必要な場所だけ:過剰なバランサーはスペースの無駄
- 距離で物流手段を選ぶ:近距離=ベルト、長距離=列車、柔軟性=ロボット
数字で考え、計算で解決する。これがFactorioの物流の鉄則です。ベルトを制する者が、Factorioを制する。あなたの工場が最高の効率で回ることを願っています!
ご質問やご意見があれば、ぜひコメント欄やコミュニティでお声がけください。Happy Factorio!