Factorioには、ゲーム画面からは見えない強力なコンソール(コマンドライン)が隠されています。進化率の確認、マップシードの表示、テレポート、全技術アンロック……使い方を知っていれば、デバッグから創造モードまで自在に操れる「万能ツール」です。
ただし、使い方を間違えなければ便利な道具であって、初プレイで安易にチートを使うと「ロケットを打ち上げた感動」が丸ごと消えます。本当に。先人たちが口を揃えて言うので信じてください。
この記事では、コンソールの開き方から安全なコマンド、チートコマンド、デバッグ表示、Space Age対応のコマンドまで、実用的なものを網羅的にまとめました。ブックマークしてFactorioライフのお供にどうぞ。
コンソールの開き方と基本ルール
コンソールを開くキー
コンソールは以下のキーで開けます:
- 半角キー ~(チルダ):英語キーボードの場合。日本語キーボードでも割り当てられていることがあります。
- /(スラッシュ)キー:こちらのほうが確実です。押した瞬間にコンソールが開き、先頭に「/」が入った状態になります。
コンソールが開くと画面下部にテキスト入力欄が表示されます。コマンドを入力してEnterで実行、Escでキャンセルです。
⚠️ 実績(アチーブメント)に関する重要な警告
Factorioのコマンドには2種類あります:
- 安全なコマンド(/evolution、/time など):実績に影響しません。情報表示系のコマンドです。
- チートコマンド(/c で始まるLuaスクリプト):そのセーブデータの実績が永久に無効になります。元に戻す方法はありません。
チートコマンドを実行しようとすると、Factorioが「実績が無効になりますよ」と警告ダイアログを出してくれます。初回だけですが、ここで「いいえ」を選べばセーフです。一度「はい」を押すと、そのセーブでは二度と実績が解除されません。
「別のセーブデータを作ってそこで試す」のが最も安全なアプローチです。テスト用・クリエイティブ用のセーブを1つ持っておくと気兼ねなく遊べます。
安全なコマンド(実績に影響なし)
これらのコマンドはいつ使っても実績に影響しません。ゲーム情報の確認用として安心して使えます。
/evolution
バイターの現在の進化率を表示します。進化率は汚染・時間経過・スポナー破壊で上昇し、敵の強さに直結する重要指標です。
/evolution
出力例:Evolution factor: 0.4523 (Time: 0.1200, Pollution: 0.2800, Spawner kills: 0.0523)
「汚染による進化が高すぎるな…」と分かれば対策が立てやすくなります。防衛計画の判断材料として非常に有用です。
/time
ゲーム内の経過時間を表示します。
/time
「もう8時間もやってたのか…」という現実を突きつけてくれるコマンドでもあります。スピードラン計測にも使えます。
/seed
現在のマップのシード値を表示します。
/seed
「このマップの資源配置が神すぎるから友達にも教えたい」というときに。マップ生成時にこのシード値を入力すれば同じ地形が再現されます。
/color
プレイヤーキャラクターの色を変更します。マルチプレイで自分を目立たせたいときに便利。
/color red
/color 0.5 0.8 0.2
/color reset
色名(red, blue, green, yellow, pink, orange, white, black など)か、RGB値(0〜1の小数)で指定できます。/color reset で元に戻ります。
/screenshot
ゲーム画面のスクリーンショットを撮影します。
/screenshot [x解像度] [y解像度] [ズーム]
例:/screenshot 1920 1080 1 で1920×1080のスクリーンショットを撮影。高解像度の工場全景を撮りたいときに重宝します。保存先はFactorioのscriptフォルダです。
その他の安全なコマンド
- /help:使えるコマンドの一覧を表示
- /players:接続中のプレイヤー一覧(マルチプレイ用)
- /admins:管理者一覧(マルチプレイ用)
- /mute / /unmute:プレイヤーのチャットをミュート/解除
- /alerts:アラート設定の確認
チートコマンド(実績が無効になる)
ここからは /c(=Luaコンソールコマンド)を使ったチートコマンドです。実行した瞬間にそのセーブの実績が無効になります。テスト用セーブで使いましょう。
全技術をアンロック
すべての研究を一瞬で完了させます。クリエイティブモードの第一歩。
/c game.player.force.research_all_technologies()
Space Ageの場合、無限研究も含めてすべてアンロックされます。引数に数値を入れると、無限研究のレベルを指定できます:
/c game.player.force.research_all_technologies(50)
アイテムを入手する
指定したアイテムをインベントリに追加します。
/c game.player.insert{name="iron-plate", count=1000}
/c game.player.insert{name="advanced-circuit", count=500}
/c game.player.insert{name="power-armor-mk2", count=1}
/c game.player.insert{name="nuclear-reactor", count=10}
アイテム名はゲーム内の英語IDを使います(日本語名ではありません)。IDが分からないときはFactorio Wikiで確認できます。
テレポート
プレイヤーを指定座標にワープさせます。
/c game.player.teleport({0, 0})
/c game.player.teleport({500, -200})
座標 {0, 0} はマップの中心(スポーン地点付近)です。迷子になったときの緊急帰還に使えます。ただし、チャンクが生成されていない場所にテレポートすると一瞬固まることがあるのでご注意を。
マップ全体を見えるようにする(チャートオール)
マップの未探索部分をすべて可視化します。レーダーの範囲外も見えるようになります。
/c game.player.force.chart_all()
注意:広大なマップでは処理に時間がかかることがあります。特定の範囲だけ見たい場合は:
/c game.player.force.chart(game.player.surface, {{-500, -500}, {500, 500}})
ゲーム速度を変更する
ゲームの実行速度を変更します。テストや待ち時間の短縮に最適。
/c game.speed = 5
デフォルトは1。5にすると5倍速、0.5にするとスローモーションになります。研究を待つときや列車網のテストに便利です。戻すときは:
/c game.speed = 1
あまりに高い値にするとPCが悲鳴を上げるので、10倍速くらいまでが現実的です。
敵をすべて排除する
マップ上のすべてのバイター・スピッター・ワームを消滅させます。平和に工場を建てたいときに。
/c local surface = game.player.surface
for _, entity in pairs(surface.find_entities_filtered{force="enemy"}) do
entity.destroy()
end
ただし、スポナー(巣)を残すと再び湧いてきます。巣ごと消したい場合はこのコマンドでOKです(スポナーもenemy forceに属しています)。
エディターモードに切り替え
マップエディターモードに入ります。神の視点で自由にマップを編集できるモードです。
/editor
エディターモードでは、地形の変更、エンティティの自由配置、時間操作、サーフェスの切り替えなどが可能です。もう一度 /editor と打つと通常モードに戻ります。
なお、/editor も実績を無効にするコマンドです。
プレイヤーを無敵にする
/c game.player.character.destructible = false
ダメージを受けなくなります。元に戻すには true に設定してください。バイターの巣を素手で殴りに行っても平気になりますが、なぜそうしたいのかは聞きません。
プレイヤーの移動速度を変更する
/c game.player.character_running_speed_modifier = 2
デフォルトは0。1で2倍速、2で3倍速です。広い工場を走り回るときにどうぞ。
手持ちの範囲を広げる
/c game.player.character_build_distance_bonus = 100
/c game.player.character_reach_distance_bonus = 100
建設範囲と操作範囲を広げます。遠くのものに手が届くようになるので、設計テスト時に便利です。
デバッグ表示コマンド(F4メニュー)
F4キーを押すとデバッグオーバーレイの設定メニューが開きます。コンソールコマンドではありませんが、非常に有用な情報表示機能なのでここで紹介します。実績には影響しません。
show-fps(FPS/UPS表示)
画面にFPS(フレームレート)とUPS(ゲームロジック更新レート)を表示します。FactorioではUPSが重要で、60を下回ると工場の処理が遅くなります。
メガベース建設時のパフォーマンスモニタリングに必須です。UPSが下がり始めたら、どこがボトルネックかを特定する最初の手がかりになります。
show-entity-info(エンティティ情報表示)
すべてのエンティティの上にアイコンや情報を表示します。組立機が何を作っているか、チェストに何が入っているかが一目でわかるようになります。
これはAlt キーでもトグルできます(Alt モード)。多くのプレイヤーは常時ONにしています。
show-tile-grid(タイルグリッド表示)
タイルの境界線をグリッド表示します。正確な配置やアラインメントが必要なときに便利です。ブループリント設計時にタイル単位の位置合わせができます。
その他の便利なデバッグオプション
- show-pollution:汚染の広がりを視覚的に表示。どこから汚染が漏れているか一目瞭然。
- show-logistics-network:物流ネットワークの範囲を表示。ロボポートのカバー範囲が確認できます。
- show-electric-network:電力ネットワークの範囲を表示。
- show-rail-signal-states:列車信号の状態(赤・黄・緑)を常時表示。列車網デバッグの必需品。
- show-train-stop-names:駅名を常時表示。
便利なLuaスニペット集
ここからは少し応用的なLuaスクリプトです。すべて /c で実行でき、すべて実績が無効になります。
物流ネットワーク内のアイテム数を数える
ロボットネットワークに特定のアイテムがいくつあるか確認するコマンドです。
/c local network = game.player.surface.find_logistic_network_by_position(game.player.position, game.player.force)
if network then
local contents = network.get_contents()
for name, count in pairs(contents) do
game.player.print(name .. ": " .. count)
end
else
game.player.print("物流ネットワークが見つかりません")
end
プレイヤーの現在位置にある物流ネットワーク内の全アイテムとその個数を表示します。「鉄板が足りないと思ったら、実は物流ネットワークに2万枚も余ってた」なんてことが分かります。
汚染をすべて消去する
/c game.player.surface.clear_pollution()
マップ上の汚染を一掃します。バイターの襲来を一時的に止めたいとき、汚染が原因のUPS低下を確認したいときなどに使えます。ただし、汚染源(工場)が稼働している限りすぐにまた汚染が広がり始めます。
昼夜を変更する
/c game.player.surface.daytime = 0
0が正午、0.5が真夜中です。スクリーンショット撮影時に「昼の明るい画面がほしい」というときに重宝します。
常に昼間にしたい場合:
/c game.player.surface.freeze_daytime = true
/c game.player.surface.daytime = 0
すべてのバイターの巣をマップに表示する
/c for _, entity in pairs(game.player.surface.find_entities_filtered{type="unit-spawner"}) do
game.player.force.chart(game.player.surface, {{entity.position.x - 1, entity.position.y - 1}, {entity.position.x + 1, entity.position.y + 1}})
end
すべてのスポナーの位置がマップ上に表示されます。掃討作戦の計画を立てるときに便利です。
特定のレシピをすべての組立機でカウントする
/c local count = 0
for _, entity in pairs(game.player.surface.find_entities_filtered{type="assembling-machine"}) do
if entity.get_recipe() and entity.get_recipe().name == "electronic-circuit" then
count = count + 1
end
end
game.player.print("電子回路を作っている組立機: " .. count)
「electronic-circuit」の部分を変えれば、任意のレシピで検索できます。生産ラインの規模感を把握するのに使えます。
Space Age対応コマンド
Factorio 2.0 / Space Age DLCでは、複数のサーフェス(惑星)を扱うようになりました。コマンドもそれに対応しています。
別の惑星にテレポートする
/c game.player.teleport({0, 0}, "vulcanus")
/c game.player.teleport({0, 0}, "fulgora")
/c game.player.teleport({0, 0}, "gleba")
/c game.player.teleport({0, 0}, "aquilo")
第2引数にサーフェス名(惑星名)を指定すると、その惑星の座標{0,0}にテレポートできます。宇宙プラットフォームを作らなくても惑星間移動ができるので、テストや探索に便利です。
ノーチラス(nauvis)に戻るには:
/c game.player.teleport({0, 0}, "nauvis")
宇宙プラットフォーム関連
宇宙プラットフォームのサーフェスにもアクセスできます。プラットフォーム上の状況確認やデバッグに使えます。
/c for _, surface in pairs(game.surfaces) do
game.player.print(surface.name .. " (index: " .. surface.index .. ")")
end
まずこのコマンドで全サーフェスの名前を確認し、テレポート先として指定できます。プラットフォームは「platform-数字」のような名前になっています。
特定の惑星の敵だけを排除する
/c local surface = game.surfaces["vulcanus"]
for _, entity in pairs(surface.find_entities_filtered{force="enemy"}) do
entity.destroy()
end
惑星名を変えることで、特定の惑星だけ平和にできます。グレバのペンタポッドに悩まされているときなどに。
品質(Quality)付きアイテムを入手する
/c game.player.insert{name="assembling-machine-3", count=10, quality="legendary"}
品質は “normal”, “uncommon”, “rare”, “epic”, “legendary” の5段階です。レジェンダリーの組立機3が手に入ります。テスト環境でレジェンダリー設計を試したいときに最高です。
マップエディターの基本
/editorコマンドで入れるマップエディターは、コンソールコマンド以上に自由度の高いツールです。
エディターでできること
- 地形の変更:水を埋め立てたり、崖を削除したり。
- エンティティの自由配置:コストなしで何でも置ける。全アイテムがパレットから選択可能。
- 時間操作:ゲーム時間を進めたり巻き戻したり。
- 敵の管理:スポナーの配置・削除、進化率の設定。
- サーフェス切り替え:惑星間を自由に移動。
- シナリオテスト:特定の状況を作り出してテストプレイ。
ブループリントの設計やテスト、動画・スクリーンショット撮影用のセットアップなど、クリエイティブな用途に最適です。当サイトのブループリント記事も、マップエディターで検証していることが多いです。
チートを使うべきとき・使うべきでないとき
✅ チートを使ってOKな場面
- クリエイティブモード / サンドボックス:新しい設計のテスト、ブループリントの検証に。実績を気にせず自由に実験できます。
- 2周目以降のプレイ:一度クリアした後なら、チートで序盤をスキップしたり特定のフェーズから始めるのもアリです。
- バグや不具合で詰まったとき:列車が変な場所にハマった、キャラクターが崖に挟まった……そんなときはテレポートで脱出しましょう。
- 動画・スクリーンショット撮影:見栄えの良い画面を作るためにチートを使うのは定番テクニックです。
- Modのテスト:Modの動作確認には全技術アンロックやアイテム付与が欠かせません。
- パフォーマンス検証:ゲーム速度変更やデバッグ表示を使って、UPSボトルネックを特定するとき。
❌ チートを使わないほうがいい場面
- 初回プレイ:これが最も重要です。Factorioの醍醐味は「自分で問題を解決する過程」にあります。チートでショートカットすると、パズルの答えを先に見てしまったのと同じ。あの「ロケット打ち上げの瞬間」の感動は、苦労した分だけ大きくなります。本当に。
- マルチプレイ:他のプレイヤーの体験も台無しにします。サーバー管理者以外がチートを使うのはマナー違反です。
- 実績を狙っているセーブ:当たり前ですが、一度でもチートコマンドを使うと実績は二度と解除されません。「8時間以内にロケット打ち上げ」などの実績を狙っているなら絶対に使わないでください。
コマンド早見表
最後に、よく使うコマンドをまとめた早見表です。コピー&ペーストで使えます。
| コマンド | 効果 | 実績 |
|---|---|---|
| /evolution | 進化率を表示 | ✅ 安全 |
| /time | 経過時間を表示 | ✅ 安全 |
| /seed | マップシード値を表示 | ✅ 安全 |
| /color [色] | プレイヤーの色を変更 | ✅ 安全 |
| /screenshot | スクリーンショット撮影 | ✅ 安全 |
| /c game.player.force.research_all_technologies() | 全技術アンロック | ❌ 無効 |
| /c game.player.insert{name="アイテムID", count=数} | アイテム入手 | ❌ 無効 |
| /c game.player.teleport({x, y}) | テレポート | ❌ 無効 |
| /c game.player.force.chart_all() | マップ全表示 | ❌ 無効 |
| /c game.speed = 数値 | ゲーム速度変更 | ❌ 無効 |
| /editor | エディターモード切替 | ❌ 無効 |
| /c game.player.surface.clear_pollution() | 汚染を消去 | ❌ 無効 |
| /c game.player.teleport({0,0}, "惑星名") | 惑星間テレポート | ❌ 無効 |
まとめ
Factorioのコンソールコマンドは、知っているだけでゲーム体験が広がる強力なツールです。
- 安全なコマンド(/evolution, /time, /seed)は普段使いに。進化率チェックは特におすすめ。
- F4デバッグ表示は実績に影響なしで超有用。FPS/UPS表示は常時ONでも良いくらい。
- チートコマンドはテスト用セーブで活用。全技術アンロック+アイテム付与でクリエイティブモードの完成。
- Space Ageでは惑星間テレポートや品質指定アイテム入手が便利。
コマンドは道具です。ハンマーで釘を打つのに罪悪感を覚える必要はありません。ただし、初回プレイだけは……自力で乗り越えてください。きっと、その先に最高の「工場長体験」が待っています。
工場は拡張せねばならない。コンソールも活用せねばならない。🏭