📦 この記事のまとめ

  • インサーターは6種類(+Space Age追加分)。それぞれ速度・リーチ・用途が異なる
  • スタックサイズ研究でバルク/スタックインサーターの効率が大幅アップ
  • 配置の向き(ピックアップ→ドロップ)を理解すれば設置ミスが激減
  • 直接投入(Direct Insertion)はUPS最適化の鍵
  • 回路ネットワークで高度な制御も可能

Factorioの工場で、アイテムをA地点からB地点へ運ぶ最も基本的な手段――それがインサーターです。ベルトがアイテムの「流れ」を作るなら、インサーターはその流れと機械をつなぐ「手」。インサーターを正しく理解して使い分ければ、工場の効率は劇的に変わります。

この記事では、各インサーターの性能比較から、配置のコツ、回路制御、そしてSpace Age DLCでの変更点まで、インサーターに関するすべてを網羅的に解説します。

インサーターの種類と性能

Factorioには複数のインサーターが用意されており、ゲームの進行に合わせて使い分けることが重要です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

バーナーインサーター(Burner Inserter)

速度:約0.6 items/s

ゲーム開始直後に使える唯一のインサーター。電力が不要な代わりに、燃料(石炭など)を自分で消費して動作します。

特徴:

  • 電力不要 ― 燃料で動く
  • 自分自身に燃料を供給する必要がある(石炭ベルトの横に置けば自動で補給)
  • 速度は全インサーター中で最も遅い

使いどころ:
序盤のブートストラップ(最初のボイラー+蒸気機関の燃料供給)や、電力網がダウンした際の緊急バックアップとして活躍します。電力が安定したら、基本的にはイエローインサーターに切り替えましょう。ただし、「電力が落ちても燃料供給が止まらない」という特性は、ボイラーへの石炭投入には最後まで有効です。

インサーター / イエローインサーター(Inserter)

速度:約0.83 items/s

最も基本的なインサーターであり、序盤から中盤にかけての主力。電力で動作し、安定した性能を発揮します。

特徴:

  • 電力消費が少ない(13kW)
  • 十分な速度で序盤の生産をカバー
  • コストが安い(鉄板+銅板+歯車)

使いどころ:
序盤のほぼすべての場面で活躍する万能選手です。組立機への素材投入、炉への鉱石投入、ベルトへの製品搬出など、あらゆる場所に設置します。中盤以降もスループットが足りている場所ではそのまま使い続けてOK。電力消費の少なさは、大規模化した際にも地味に効いてきます。

ロングハンドインサーター(Long Handed Inserter)

速度:約0.83 items/s

イエローインサーターと同じ速度ですが、リーチが2タイル先まで届くのが最大の特徴です。

特徴:

  • ピックアップ・ドロップともに2タイル先まで届く
  • 速度はイエローインサーターと同等
  • 少しコストが高い

使いどころ:
ベルトが2本並んでいる場合や、機械の間に余分なスペースがあるレイアウトで重宝します。典型的な使い方は、ベルト2本を挟んだ向こう側の機械にアイテムを届けるケース。ただし、Fast inserterが手に入ると出番が減りがちです。設計によっては序盤のコンパクトなレイアウトで意外と便利。

ファストインサーター(Fast Inserter)

速度:約2.31 items/s

中盤の研究で解放される高速インサーター。イエローインサーターの約2.8倍の速度を誇ります。

特徴:

  • 高速動作(2.31 items/s)
  • 電力消費はやや高め(46kW)
  • フィルター機能を設定可能

使いどころ:
中盤以降のスタンダード。生産速度が上がってきた組立機や化学プラントへの素材供給、製品搬出に最適です。特に、モジュールを入れて高速化した機械には、イエローインサーターでは間に合わなくなるため、ファストインサーターへの切り替えが必要になります。列車への積み込み・積み下ろしにも重宝します。

バルクインサーター(Bulk Inserter)

速度:約4.62 items/s(スタックサイズボーナス込みでさらに向上)

一度に複数のアイテムを掴んで運べるインサーター。スタックサイズ研究との相乗効果が非常に大きいのが特徴です。

特徴:

  • 1回のスイングで複数アイテムを運搬
  • スタックサイズ研究で運搬量が増加
  • 電力消費が大きい(132kW)
  • コストも高め

使いどころ:
大量のアイテムを素早く移動させたい場面で威力を発揮します。電気炉への鉱石投入、列車への貨物積み込み・積み下ろし、サイエンスパックの大量投入などが典型的な用途。スタックサイズ研究が進むほど効率が上がるため、研究を進めるモチベーションにもなります。

スタックインサーター(Stack Inserter)― Space Age DLC

速度:バルクインサーターを超える高速+大量運搬

Space Age DLCでGleba(グレバ)の研究を進めることで解放される最上位インサーター。バルクインサーターのさらに上位互換です。

特徴:

  • 最速のスイング速度と最大のスタックサイズ
  • Space Age DLC限定
  • Glebaでのテクノロジー解放が必要

使いどころ:
メガベースや惑星間物流など、とにかく大量のアイテムを高速で移動させたい場面で使います。コストは高いですが、それに見合うスループットを提供してくれます。

スタックサイズの仕組み

インサーターのスループットを大きく左右するのがスタックサイズです。特にバルクインサーターとスタックインサーターでは、この仕組みの理解が効率化の鍵を握ります。

スタックサイズとは

スタックサイズとは、インサーターが1回のスイング(腕の往復)で運べるアイテムの数です。

  • バーナーインサーター:常に1個
  • イエローインサーター:常に1個
  • ロングハンドインサーター:常に1個
  • ファストインサーター:常に1個
  • バルクインサーター:基本1個 → 研究で最大12個まで増加
  • スタックインサーター:さらに大きなスタックサイズ

スタックサイズ研究(Inserter capacity bonus)

テクノロジーツリーで「Inserter capacity bonus」を研究すると、バルクインサーターのスタックサイズが段階的に増加します。

研究を進めるほど1回のスイングで運べるアイテム数が増えるため、実質的なスループットが大幅に向上します。たとえば、スタックサイズが1から4に増えれば、同じスイング速度でもスループットは4倍。列車の積み下ろしや炉への鉱石投入など、大量のアイテムを扱う場面では研究の効果が顕著です。

ポイント:スタックサイズ研究はバルクインサーター(とスタックインサーター)にのみ影響します。イエローやファストインサーターは常に1個ずつの運搬です。だからこそ、大量輸送が必要な場所にはバルクインサーターを配置し、研究を進めることが重要なのです。

インサーターの向きと配置

インサーターで最も重要なのは「向き」の理解です。これを間違えると、アイテムが逆方向に流れたり、まったく動かなかったりします。

基本原則:ピックアップ → ドロップ

インサーターは「手元(ピックアップ)から先端(ドロップ)へ」アイテムを運びます。

設置時にインサーターの向きをよく確認しましょう。矢印の根元がピックアップ位置、矢印の先端がドロップ位置です。慣れないうちは「インサーターの腕が伸びる方向にアイテムを置く」と覚えると間違いにくいです。

代表的な配置パターン

ベルト → 機械(素材投入)
ベルトの横に機械を置き、その間にインサーターを配置。インサーターはベルト側を向いてピックアップし、機械側にドロップします。

機械 → ベルト(製品搬出)
機械の横にベルトを配置し、インサーターは機械側からピックアップしてベルト側にドロップ。搬出用と投入用のインサーターの向きが逆になる点に注意。

機械 → 機械(直接投入)
2つの機械を隣接させ、間にインサーターを配置。ベルトを使わずに直接アイテムを受け渡します(後述の「直接投入」セクションで詳説)。

チェスト ↔ ベルト
チェストとベルトの間にインサーターを配置。チェストへの格納・チェストからの取り出し、どちらの方向にも対応できます。列車のステーションでは、チェストを緩衝材として使い、列車→チェスト→ベルトという流れが定番です。

ベルトからの取得:near side vs far side

ベルトには左右2つのレーンがあり、インサーターがどちらのレーンからアイテムを取るかは配置位置によって決まります。この仕組みを理解すると、デュアルベルト(左右で異なるアイテムを流す)を効果的に活用できます。

near side優先の法則

インサーターは手前側(near side)のレーンを優先的に取得します。手前側にアイテムがなくなって初めて、奥側(far side)のレーンからも取得し始めます。

デュアルベルトの活用

この性質を利用すると、1本のベルトで2種類のアイテムを運べます。

たとえば、銅板と鉄板を1本のベルトの左右に分けて流す場合:

  • ベルトの手前側に銅板、奥側に鉄板を流す
  • 銅板が必要な機械にはベルトの銅板側からインサーターを配置
  • 鉄板が必要な機械にはベルトの鉄板側からインサーターを配置

この配置をうまく設計すれば、ベルトの本数を半分に減らすことも可能です。電子基板の製造ラインなどでは、銅線と鉄板を左右に分けるのが定番のテクニックです。

注意点:near side優先の仕組みを忘れると、片方のレーンだけが消費されてもう片方が渋滞する、という問題が起きがちです。インサーターの配置方向をしっかり意識しましょう。

直接投入(Direct Insertion)

直接投入は、ベルトを介さずに機械から機械へ直接アイテムを受け渡すテクニックです。上級者向けですが、メガベース(超大規模工場)では必須級の最適化手法です。

仕組み

機械A → インサーター → 機械B

ベルトを完全にスキップして、インサーターだけでアイテムを移動させます。機械Aの出力スロットからインサーターが取り出し、隣接する機械Bの入力スロットに直接投入します。

メリット

  • UPS効率が高い:ベルトの処理が不要になるため、ゲーム全体の処理負荷が軽減されます。数千SPM級のメガベースでは、この差が顕著になります。
  • 省スペース:ベルトが不要な分、コンパクトなレイアウトが可能です。
  • レイテンシ低減:ベルトでの輸送時間がなくなるため、生産チェーン全体のレスポンスが向上します。

デメリット・制約

  • スループット上限:インサーターの速度が上限になるため、高スループットが必要な場面では複数のインサーターが必要です。
  • レイアウトの自由度が低い:機械を隣接させる必要があるため、レイアウトの選択肢が限られます。
  • 拡張しにくい:ベルトベースの設計と比べて、後から生産ラインを拡張するのが難しいです。

効果的な使用場面

  • 鉄板→歯車など、1対1の単純な生産チェーン
  • 石油化学系の液体処理(パイプは別途必要ですが、固体素材の受け渡しに)
  • メガベースでのUPS最適化が最優先の場面

回路制御

インサーターは回路ネットワーク(赤・緑ワイヤー)に接続することで、高度な制御が可能になります。

読み取り機能(Read hand contents)

インサーターが現在持っているアイテムの種類と数を回路ネットワークに出力します。これにより、「何が運ばれているか」をリアルタイムで監視できます。

スタックサイズの上書き(Set stack size override)

回路信号でインサーターのスタックサイズを動的に変更できます。たとえば、チェストの在庫が多い時はスタックサイズを減らし、少ない時は増やす、といった制御が可能です。

有効/無効の切り替え(Enable/Disable)

条件に基づいてインサーターのオン・オフを切り替えられます。これが最もよく使われる回路制御です。

実用例:「チェストのアイテムが100個未満の時だけ動作」

よくある実用例を紹介します。

  1. チェストを回路ネットワーク(赤or緑ワイヤー)に接続
  2. インサーターも同じ回路ネットワークに接続
  3. インサーターの条件を「鉄板 < 100」に設定
  4. チェスト内の鉄板が100個未満の時だけインサーターが動作

この設定により、チェストがあふれることなく、必要な分だけアイテムが供給されます。列車ステーションのバッファ管理や、特定の素材を一定量に保つ制御など、応用範囲は広いです。

どのインサーターをいつ使うべきか

ゲームの進行度と場面に応じた、インサーターの使い分けガイドです。

序盤(赤・緑サイエンスまで)

  • メイン:イエローインサーター
  • 補助:バーナーインサーター(ボイラーへの石炭投入)
  • この段階ではイエローインサーターで十分。コスト効率を重視しましょう。

中盤(青サイエンス〜ロケット発射前)

  • メイン:ファストインサーター
  • 補助:バルクインサーター(列車ステーション、炉)
  • 生産速度が上がり、イエローでは間に合わない場面が増えます。主要なラインはファストインサーターに切り替え。列車の積み下ろしにはバルクインサーターを。

終盤(ロケット発射後・メガベース志向)

  • メイン:ファストインサーター
  • 高スループット箇所:バルクインサーター / スタックインサーター
  • スタックサイズ研究を最大まで進め、バルクインサーターの性能を最大限引き出しましょう。UPS最適化を意識するなら、直接投入も検討。

場面別おすすめインサーター

場面 おすすめ 理由
ボイラーへの石炭投入 バーナーインサーター 停電時も動作する
序盤の組立機 イエローインサーター コスト効率が良い
モジュール付き組立機 ファストインサーター 高速生産に対応
電気炉への鉱石投入 バルクインサーター 大量の鉱石を高速投入
列車の積み込み/積み下ろし バルクインサーター 短時間で大量の貨物を処理
サイエンスパックの投入 ファスト or バルク 消費速度に応じて選択
メガベースの生産ライン スタックインサーター 最大スループット
離れたベルトへのアクセス ロングハンドインサーター 2タイル先に届く

Space Ageの変更点

Space Age DLCでは、インサーター周りにいくつかの重要な変更があります。

スタックインサーターの追加

Gleba(グレバ)惑星でのテクノロジー研究により、スタックインサーターが解放されます。バルクインサーターの上位版で、より高速かつ大量のアイテムを運搬できます。惑星間の大規模物流を構築する際には欠かせない存在です。

品質(Quality)システムとの連携

Space Ageで追加された品質システムにより、インサーター自体にも品質が付与されるようになりました。高品質のインサーターは速度ボーナスを得られるため、同じ種類のインサーターでも品質によって性能が変わります。

  • ノーマル品質:基本性能
  • 高品質(Uncommon〜Legendary):速度が段階的に向上

品質の高いファストインサーターが、通常品質のバルクインサーターに匹敵する場面もあり得ます。品質システムを活用した新たな最適化の余地が生まれています。

フィルターモードの拡張

Space Ageでは、より多くのインサーターでフィルターを設定できるようになりました。特定のアイテムだけを運ぶ設定が容易になり、複雑な生産ラインの管理がしやすくなっています。

よくあるミスと対策

最後に、インサーターに関するよくあるミスと、その対策をまとめます。

1. 向きの設置ミス

症状:インサーターが動かない、またはアイテムを逆方向に運んでいる。

対策:設置時に矢印の方向を確認。ピックアップ(根元)→ ドロップ(先端)の原則を思い出しましょう。間違えたらRキーで回転できます。

2. ベルトを満載にできるインサーター数の不足

症状:ベルトがスカスカで、下流の機械が材料不足になる。

対策:イエローベルト(15 items/s)を満載にするには、イエローインサーター(0.83 items/s)が約18本必要です。赤ベルト(30 items/s)にはさらに多くのインサーターが必要。ベルトの速度とインサーターのスループットを計算して、必要な本数を配置しましょう。ファストインサーターやバルクインサーターを使えば、必要本数は大幅に減ります。

3. フィルターモードの設定忘れ

症状:インサーターが意図しないアイテムを運んでしまう。

対策:複数のアイテムが混在する場所(例:異なる鉱石が混ざったベルト)では、インサーターにフィルターを設定しましょう。ファストインサーターとバルクインサーターにはフィルター機能があります。

4. スタックサイズ研究の軽視

症状:バルクインサーターを使っているのに、思ったほどスループットが出ない。

対策:Inserter capacity bonus研究を進めましょう。スタックサイズが1のままだと、バルクインサーターは高コストなだけのファストインサーターになってしまいます。

5. 電力不足への備え忘れ

症状:電力不足時にインサーターが停止し、ボイラーへの燃料供給も止まる→さらに電力低下→全停止のデススパイラル。

対策:ボイラーへの燃料投入にはバーナーインサーターを使うか、電力網に十分な余裕を持たせましょう。蓄電池を使ったバッファも有効です。


インサーターはFactorioの最も基本的なアイテムの一つですが、奥が深い要素でもあります。種類ごとの特性を理解し、場面に応じた使い分けができるようになれば、あなたの工場は確実にレベルアップするでしょう。

The factory must grow!