- 回路ネットワークは「赤ワイヤー」と「緑ワイヤー」で施設同士をつなぎ、情報をやり取りするFactorioの仕組み
- 難しそうに見えるけど、基本は「条件を設定して、ON/OFFするだけ」
- 精製所の自動制御、列車の積み込み管理、原子炉の燃料節約など実用例が豊富
- コンビネータを使えばさらに高度な自動化も可能
- Space Age DLCでは新惑星での回路活用シーンが大幅に増加
回路ネットワークって何?
Factorioをある程度プレイしていると、「もっと賢く自動化できないかな?」と思う瞬間がやってきます。
たとえば——
- 「チェストの中身が一定数を超えたら生産を止めたい」
- 「石油が足りなくなったらクラッキングを自動で切り替えたい」
- 「原子炉の燃料を無駄遣いしたくない」
こうした「条件に応じて施設を制御したい」というニーズに応えるのが、回路ネットワーク(Circuit Network)です。
回路は怖くない!基本を理解すれば、あなたの工場は劇的に賢くなります。
回路ネットワークの基本要素
回路ネットワークは3つの要素で構成されています。
1. シグナル(信号)
回路ネットワークでやり取りされる情報の単位です。「鉄板: 500」「銅板: 200」のように、アイテム名と数値のペアで表されます。チェストにワイヤーをつなげば、中身のアイテムがそのままシグナルとして出力されます。
2. ワイヤー(赤・緑)
施設同士をつなぐケーブルです。赤ワイヤーと緑ワイヤーの2種類があり、それぞれ独立したネットワークを構成します(詳しくは次のセクションで解説)。
3. コンビネータ
シグナルを計算・判定・出力する装置です。算術コンビネータ、判定コンビネータ、定数コンビネータの3種類があります。基本的な制御ならコンビネータなしでもできますが、高度な制御には欠かせません。
赤と緑のワイヤーの違い
回路ネットワーク初心者が最初に混乱するポイントが「赤ワイヤーと緑ワイヤーは何が違うの?」という疑問です。
答えはシンプルです。機能的な違いはありません。どちらもまったく同じようにシグナルを運びます。
では、なぜ2色あるのでしょうか?
それは「2つの独立したネットワークを同じ施設に接続できる」からです。
具体的に説明しましょう。
- 赤ワイヤーでつながれた施設同士は、赤のネットワークでシグナルを共有します
- 緑ワイヤーでつながれた施設同士は、緑のネットワークでシグナルを共有します
- 同じ施設に赤と緑の両方をつなげることができます
- 赤と緑のシグナルは混ざりません(独立しています)
たとえば、1つのインサータに対して——
- 赤ワイヤーで「チェストAの中身」の情報を送る
- 緑ワイヤーで「チェストBの中身」の情報を送る
ということが可能です。インサータは赤と緑の両方のシグナルを受け取り、条件判定に使えます。
実用的なアドバイス:最初は赤ワイヤーだけ使えば十分です。2色を使い分ける必要が出てくるのは、やや複雑な回路を組むときです。まずは1色でシンプルに始めましょう。
最初の回路:チェストの中身を読む(Hello World!)
プログラミングの世界に「Hello World」があるように、回路ネットワークにも定番の入門回路があります。それが「チェストの中身をランプで表示する」回路です。
これを作ってみよう!
用意するもの
- 鉄のチェスト × 1
- ランプ × 1
- 赤ワイヤー × 1(または緑ワイヤー)
手順
ステップ1:チェストとランプを隣り合わせに置く
まずチェストを設置し、その近くにランプを設置します。
ステップ2:赤ワイヤーでつなぐ
赤ワイヤーを手に持ち、チェストをクリック → ランプをクリック。これで2つが赤いワイヤーで接続されます。
ステップ3:ランプに条件を設定する
ランプをクリックして開くと、回路条件を設定する欄が表示されます。ここで以下のように設定します。
- 左側のドロップダウン:「鉄板(Iron plate)」を選択
- 比較演算子:「>」(より大きい)
- 右側の数値:「100」
ステップ4:テストする
チェストに鉄板を入れてみましょう。100個以下ならランプは消灯したまま。101個以上になると……ランプが点灯します!
おめでとうございます!これがあなたの最初の回路ネットワークです。
ここで起きていること:チェストはワイヤーを通じて「鉄板: ○○個」というシグナルを送信しています。ランプは受信したシグナルを条件と比較し、条件を満たせば点灯する、という仕組みです。
この「シグナルを送る → 条件を判定する → 動作する」という流れが、回路ネットワークのすべての基本です。ランプの代わりにインサータやポンプに条件を設定すれば、もっと実用的な制御ができるようになります。
実用例1:スマート精製所(石油のクラッキング制御)
回路ネットワークの最も定番の実用例が、石油精製所のクラッキング制御です。
問題:石油精製が詰まる!
石油精製(上級レシピ)では、石油ガス・軽油・重油の3種類が同時に生成されます。しかし、使う量はそれぞれ異なるため、使わない液体がタンクを満たしてしまい、精製所全体が止まってしまうことがあります。
これを防ぐために、重油→軽油、軽油→石油ガスのクラッキングを回路で制御しましょう。
これを作ってみよう!
仕組み:石油ガスのタンク残量を監視し、少なくなったらクラッキング用のポンプを有効化します。
手順
ステップ1:タンクとポンプを配置する
石油ガスの貯蔵タンクと、軽油→石油ガスのクラッキングに液体を送るポンプを配置します。
ステップ2:赤ワイヤーでタンクとポンプをつなぐ
赤ワイヤーで石油ガスのタンクとポンプを接続します。
ステップ3:ポンプに条件を設定する
ポンプをクリックし、回路条件を設定します。
- 条件:「石油ガス(Petroleum gas) < 25000」
- 動作モード:「回路条件を有効化条件にする」
これで、石油ガスが25,000未満のときだけポンプが動作し、軽油を石油ガスにクラッキングします。25,000以上になるとポンプが止まり、軽油は軽油のまま保存されます。
同じ要領で、重油→軽油のクラッキングも制御できます。重油タンクにワイヤーをつなぎ、ポンプに「軽油 < 25000」の条件を設定すればOKです。
なぜ25,000?
タンク1つの容量は25,000です。この数値は「タンク1つ分を下回ったら」という目安にちょうど良いため、よく使われます。もちろん、自分の工場の消費量に合わせて調整してください。
実用例2:列車の積み込み制御
列車を使い始めると、「チェストに十分なアイテムが溜まってから列車に積みたい」というニーズが出てきます。中途半端な量で列車が出発すると、輸送効率が下がってしまうからです。
これを作ってみよう!
仕組み:積み込み用チェストの中身を監視し、十分な量が溜まったときだけインサータを動かします。
手順
ステップ1:チェストとインサータを配置する
駅に鉄のチェスト(またはスチールチェスト)とスタックインサータを配置します。インサータはチェストから列車にアイテムを移す向きにします。
ステップ2:赤ワイヤーでチェストとインサータをつなぐ
チェストとインサータを赤ワイヤーで接続します。複数のチェストがある場合は、すべてのチェストを赤ワイヤーでつなぎましょう。同じワイヤーでつながれたチェストのシグナルは自動的に合算されます。
ステップ3:インサータに条件を設定する
- 条件:「鉄板(Iron plate) > 2000」
- 動作モード:「回路条件を有効化条件にする」
これで、チェスト内の鉄板が合計2,000個を超えたときだけインサータが動作し、列車に積み込みます。
ポイント:複数のチェストを同じワイヤーでつなぐと、シグナルは合算されます。チェスト4つをつないでいて、それぞれに鉄板が600個ずつ入っていれば、シグナルは「鉄板: 2400」になります。この仕組みのおかげで、複数チェストの合計で判定ができるのです。
実用例3:原子炉の燃料節約
原子炉は非常に強力な電力源ですが、ウラン燃料棒は作るのに手間がかかります。蒸気が十分にあるのに燃料を投入し続けるのはもったいない。回路で燃料投入を制御しましょう。
これを作ってみよう!
仕組み:蒸気タンクの残量を監視し、蒸気が減ってきたときだけ燃料を投入します。
手順
ステップ1:蒸気タンクとインサータを配置する
原子炉からの蒸気を貯めるタンクと、原子炉に燃料棒を投入するインサータを用意します。
ステップ2:赤ワイヤーで蒸気タンクとインサータをつなぐ
蒸気タンクとインサータを赤ワイヤーで接続します。
ステップ3:インサータに条件を設定する
- 条件:「蒸気(Steam) < 20000」
- 動作モード:「回路条件を有効化条件にする」
蒸気が20,000未満になると燃料棒が投入され、20,000以上あるときはインサータが止まります。
注意点:原子炉は燃料棒1本で一定時間動き続けます。蒸気が減ってから燃料を入れても、すぐには蒸気が増えません。閾値(しきいち)はやや余裕を持たせることをおすすめします。複数のタンクをワイヤーでつないで合算値で判定するのも良い方法です。
コンビネータの世界
ここまでの例は、すべて「シグナルを読み取って条件判定する」だけのシンプルな回路でした。コンビネータを使うと、シグナルを計算・変換・生成でき、さらに高度な制御が可能になります。
算術コンビネータ(Arithmetic Combinator)
入力されたシグナルに対して四則演算(+、-、×、÷)を行い、結果を出力します。
具体例:生産量を2倍にして表示する
入力:「鉄板」→ 演算:「× 2」→ 出力:「鉄板」
チェストに鉄板が500個あれば、出力側には「鉄板: 1000」が出ます。これは「目標在庫に対して何倍あるか」「1分あたりの生産量を計算する」といった用途に使えます。
その他にも、剰余(%)、ビット演算(AND、OR、XOR)、シフト演算などが可能です。
判定コンビネータ(Decider Combinator)
入力されたシグナルを条件判定し、条件を満たしたときだけ出力します。
具体例:アイテムが足りないときだけアラートを出す
条件:「鉄板 < 100」→ 出力:「鉄板: 1」(入力数を出力 or 固定値を出力)
鉄板が100未満のときだけシグナルが出力されます。このシグナルをランプにつなげば、在庫不足の警告ランプになります。
判定コンビネータの強みは、条件付きでシグナルをフィルタリング・変換できること。インサータやポンプの条件設定だけでは実現できない、複雑なロジックが組めます。
定数コンビネータ(Constant Combinator)
外部入力なしに、設定した固定値のシグナルを常に出力し続けます。
具体例:目標在庫数を設定する
定数コンビネータに「鉄板: 1000」を設定すると、常に「鉄板: 1000」を出力します。これを判定コンビネータと組み合わせれば——
- 定数コンビネータ:「鉄板: 1000」を出力(=目標在庫数)
- チェスト:実際の在庫数をシグナルとして出力
- 算術コンビネータ:目標 − 実在庫 = 不足数を計算
このように組み合わせることで「あとどれだけ生産すればいいか」を計算する回路が作れます。
定数コンビネータのもう1つの使い道:回路のON/OFF切り替え
定数コンビネータにはON/OFFスイッチがあります。手動でON/OFFを切り替えることで、接続された回路全体を制御するマスタースイッチとして使えます。
Space Ageでの回路活用
Factorio: Space Age DLCでは、新しい惑星ごとにユニークな課題があり、回路ネットワークの活躍の場がさらに広がっています。
Gleba(グレバ):農業タワーのON/OFF制御
Glebaでは植物の栽培が重要ですが、農業タワーは大量の肥料やリソースを消費します。回路を使って制御しましょう。
- 仕組み:生産物の在庫を監視し、十分な量があるときは農業タワーへの供給を止める
- 設定例:収穫物のチェストにワイヤーをつなぎ、インサータに「収穫物 < 500 → 有効」を設定
- 効果:過剰生産を防ぎ、肥料やスペースの無駄を削減
Glebaの農産物には腐敗の概念があるため、必要以上に作りすぎないことが特に重要です。回路による生産制御は、Glebaでは必須と言っても過言ではありません。
Fulgora(フルゴラ):アキュムレータ残量モニタリング
Fulgoraでは雷による発電が主要な電力源です。しかし雷は不定期のため、蓄電池(アキュムレータ)の管理が生命線になります。
- 仕組み:アキュムレータの充電レベルを監視し、残量に応じて工場の稼働を制御
- 設定例:アキュムレータにワイヤーをつなぎ、「充電レベル < 20% → 非必須施設を停止」
- 効果:電力不足による工場全停止を防止。優先度の低い施設を先に止めて、重要な施設を守る
Aquilo(アキロ):加熱設備の温度制御
Aquiloは極寒の惑星で、暖房なしでは施設が凍結して停止してしまいます。
- 仕組み:加熱タワーの燃料消費を監視し、効率的に暖房を管理する
- 設定例:蒸気タンクの残量を監視し、「蒸気 < 一定値 → 加熱燃料投入」を設定
- 効果:燃料の無駄遣いを防ぎつつ、凍結による工場停止を確実に防止
Space Ageの各惑星では、Nauvisとは異なる制約があるため、回路ネットワークの知識がより一層重要になります。基本をしっかり押さえておけば、どの惑星でも応用できます。
よくある失敗と対処法
回路ネットワークを始めたばかりの頃にハマりがちなミスをまとめました。
失敗1:シグナルが混ざってしまう
症状:同じ赤ワイヤーであちこちの施設をつないだら、意図しないシグナルが混入した
原因:同じ色のワイヤーでつながれた施設は、すべて同じネットワークになります。関係ない施設までつないでしまうと、シグナルが合算されてしまいます。
対処:ネットワークは目的ごとに分離しましょう。必要なら赤と緑を使い分けて2つのネットワークを作るか、物理的にワイヤーを分断してください。
失敗2:ワイヤーの色を間違えた
症状:赤ワイヤーで信号を送っているのに、受信側が緑ワイヤーで別のネットワークにつながっていた
原因:赤と緑は独立したネットワークです。送信側と受信側は同じ色でつなぐ必要があります。
対処:ワイヤーの色を確認しましょう。施設にカーソルを合わせると、接続されているワイヤーの情報が表示されます。
失敗3:条件の向きが逆
症状:「アイテムが足りないときにインサータを動かしたい」のに、「>(より大きい)」を設定してしまい、アイテムが多いときに動いてしまう
原因:不等号の向きを間違えるのは、最もありがちなミスです。
対処:設定したら必ずテストしましょう。少量のアイテムで条件が正しく動くか確認してから、本運用に移るのがおすすめです。
失敗4:「動作モード」を設定し忘れた
症状:条件を設定したのにインサータやポンプが常に動いている(または常に止まっている)
原因:ワイヤーを接続しても、施設の動作モードを「回路条件で有効化」に設定しないと反映されない場合があります。
対処:施設の設定画面で動作モードを確認しましょう。
失敗5:ワイヤーが遠すぎて届かない
症状:離れた施設同士をワイヤーでつなげない
原因:ワイヤーには接続距離の制限があります。
対処:間に電柱を立てて中継しましょう。電柱もワイヤーの中継点として使えます。電柱同士をワイヤーでつなぐことで、長距離にシグナルを伝達できます。
定番回路のブループリント
ここで紹介した回路のブループリントを公開します。インポートしてすぐに使えます。
スマート精製所(軽油・重油クラッキング制御)
石油ガスが25,000未満のときだけ軽油→石油ガスのクラッキングを行うシンプルな制御です。自分の工場の精製所に赤ワイヤーを追加するだけで使えます。
設定メモ:ポンプに赤ワイヤーでタンクを接続し、「petroleum-gas < 25000 → 有効」を設定。
列車積み込み制御
チェスト内のアイテムが2,000を超えたら積み込みを開始する制御です。
設定メモ:チェスト群を赤ワイヤーで接続し、インサータに「目的のアイテム > 2000 → 有効」を設定。
原子炉燃料節約
蒸気が20,000未満のときだけ燃料棒を投入する制御です。
設定メモ:蒸気タンクを赤ワイヤーでインサータに接続し、「steam < 20000 → 有効」を設定。
まとめ:回路ネットワークを使いこなそう
回路ネットワークは、Factorioの自動化をさらに一段階上に引き上げる強力なツールです。
覚えておくべき3つのポイント:
- 基本は「シグナルを読む → 条件を判定 → 動作を制御」の流れ
- 赤と緑のワイヤーは独立したネットワークを作るためにある
- まずはコンビネータなしでチェスト+インサータの簡単な回路から始めよう
最初は「チェストの中身を読んでランプを光らせる」ところから始めて、精製所の制御、列車の管理……と少しずつステップアップしていけば、気づいたときにはコンビネータを使った高度な回路も怖くなくなっているはずです。
回路は怖くない!あなたの工場を、もっと賢く育てていきましょう。